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ばいきんまん役で31年、フリーザ役で30年! 中尾隆聖の「役作り」(#4)著:大野裕之

8/8(木) 16:00配信

本がすき。

脚本家・映画研究家の大野裕之さんと声優・羽佐間道夫さんが、スターたちの肉声から「声優」の歴史に迫っていく「創声記」インタビュー。全4回にわたる中尾隆聖さんへのインタビューも今回が最後。最終回では、長く愛されるキャラクターを多数生み出した中尾流の「役作り」について、詳しくお伺いしました。

フリーザ役で30年

――もう一つ、われわれがすぐに思い浮かべるのは、『ドラゴンボール』のフリーザというお役があります。

中尾 これも八八年ぐらいからですね。飛び飛びでずっと三〇年近くやらせていただいています。しかも、僕がアニメのデビューをした時にご一緒させていただいた野沢雅子さんとまた一緒なんです。五〇年経っても一緒にできるというのがすごくうれしいんですよね。

――すごいことですねえ、五〇年って。

中尾 全然変わんないですからね、マコさんは、昔っから。すごいなあと思いますけどね。

――ばいきんまんもフリーザも、中尾さんの代表作とされるお役は、二つとも印象的な悪役ですね。

中尾 ありがたいことに、そう言っていただけるキャラに出会えたのはうれしいことです。仕事をいただいたときには、それをただ全力でやっていくだけです。それがたまたま自分のキャラクターになっていくというだけでしょうかね。

声は作らないほうがいい

――「自分のキャラクターになっていく」とおっしゃいましたが、それはどんな作業でしょうか? 声優の「役作り」についてお考えをお聞かせくださいますか?

中尾 基本的に「声を作る」ってのはあんまり好きじゃありません。声優さんでもいろんな方がいらっしゃいますよね。いろんな声を駆使して使い分ける方もいらっしゃいますし、逆に一つの声で、キャラクターを変えてという方もいらっしゃいます。いろんなパターンがありますが、私は後輩たちには、「声は作らないほうがいいよ」と言ってます。まあ、ばいきんまんであんな声を作っているんで、あんまり説得力ないですけどね(笑)。

――役の性根をつかんで、そこから自然と出てくる声がいい、と?

中尾 そういうのが一番理想ですね。

――声からキャラクターを作るんじゃなくて?

中尾 いや、声で作るのもいいんですけど。若いうちって、(いまの私もそうですけど)、声を作ったことで何かをやった気になっちゃったりするじゃないですか。それがちょっといやなんです。そこで止まっちゃうような気がするんですよね。そうじゃないというのがやっとわかってきた気がします。

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最終更新:8/8(木) 16:00
本がすき。

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