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発達障害に潜む「体の問題」改善するゲーム開発…体をまっすぐ伸ばして「うんちミサイル」発射!

8/8(木) 17:10配信

まいどなニュース

 君にお願いがある。地球を侵略しようとやってくるUFOを撃ち落としてほしい。降ってくる爆弾をよけながら、「うんちミサイル」を発射するのだ。ただし、このミサイルが打てるのは、スクリーンに映る君の体の軸がまっすぐになったときだけ。「まっすぐ」が続けば、連射もできるし、友達と協力すれば巨大化もできる。さあ、ゲームスタートだ!!!

【写真】子どもたちが遊んでいる「姿勢が良くなるゲーム」はこんな画面

 子どもの姿勢の悪さや体幹の弱さなどが指摘される中、ウェブカメラに映すだけで体の動きを分析して遊べる体感型ゲームソフトを、ある技術者と理学療法士が作り上げた。スクリーンなどに映し、とにかく楽しく遊ぶだけで、体の動きをイメージする力までも強化。発達障害やADHDなど「『落ち着かない』『目線のコントロールがうまくできない』という子どもには体の問題が隠れている場合も意外に多い」といい、幅広い応用に期待を込める。

 株式会社ILLUMINATE(神戸市東灘区)代表取締役の西村猛さんと、「Acculus(アキュラス)」(神奈川県鎌倉市)のCEOで、画像認識エンジニアの笹尾幸良さん。

 西村さんは、神戸市総合療育センターで長年、理学療法士として肢体不自由児のリハビリを担当。発達障害児の支援もする中で、コミュニケーションの難しさや言葉の遅れなどが顕在化するより先に、歩き方や転びやすさなど運動発達面での課題が現れる子が少なくないことに気が付いたという。

 さらに近年、「かかとを付けてしゃがめない」など基本的な運動能力が低下する「子どものロコモティブシンドローム」が問題化する中、「自分の持っている知識や技術を伝えたい」とホームページで発信するように。活動の幅を広げようと2017年に退職し、現在は子どもの発達相談や療育、学習支援などを行うほか、各地で講演も行っている。

 一方、笹尾さんはエンジニアとしてメーカーでAIの開発などに従事。「単なる技術ではなく、実際に世の中の人の役に立てるものを作りたい」と思っていた3年前のある日、西村さんの講演を聞き、「子どもたちの笑顔につながるなら」と協力を申し出たという。

 といっても当時は機器も高額で、夢の構想でしかなかったが、最近になりAIの性能が大幅に進歩。笹尾さんも2018年に独立して会社を立ち上げ、カメラに映すだけで骨格を検出するソフトを開発し、西村さんとともにゲームの制作に乗り出した。

 最初に思い付いたのは、姿勢を正して落ちてくる果物をキャッチする「かわいい」ゲーム。だが「1種類だと飽きてしまう」と種類を増やす中で、「子どもといったら、うんちとUFOやろ!!」(西村さん)と、冒頭の「いせいじんとたたかっチャオ」のほか「うんちをとびこえチャオ」など計6種類を次々と作り上げた。そもそも、西村さんは講演にまで「うんち帽子」をかぶって登場するほど。「これがあったら子ども(結構、大人も)は100%笑顔になる。目指すのは、全国一、フザけた理学療法士です」と胸を張り、うんちグッズ集めに余念がない。

 と、少し脱線したが、その二人の熱意もあって、完成したゲームは機器も含め「全国の保育園に配れるぐらいの価格」になる見込みに。レベル設定などで、成長の過程を数値化することも検討しており、現在、西村さんが運営する児童発達支援事業所などで子どもたちに使ってみてもらっているほか、今後、クラウドファンディングで制作費を募る予定という。

 「実際やってみると、大人でも脇腹が痛くなるぐらい。めっちゃ楽しいです」と西村さん。「強制でなく、遊んでいるうちに―というのがポイント。発達障害などの場合、まず『体を動かしたい』などの欲求を十分満たしてあげることで、驚くほど気持ちが落ち着くこともあるんです」と言い、「本人だけでなく、子どものことで悩み続けているお母さんやお父さん、どう接していいか分からなくて困っている保育士さんらに、笑っている子どもたちを見て喜んでもらい、成長も感じてもらえれば」と力を込める。


(まいどなニュース・広畑 千春)

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最終更新:8/9(金) 14:55
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