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トランプ氏歓迎されず=米乱射現場訪問、際立つ分断

8/9(金) 7:12配信

時事通信

 【エルパソ(米南部テキサス州)時事】トランプ米大統領は7日、負傷者らの慰問のため、銃乱射事件で22人が犠牲になった南部テキサス州エルパソを訪問した。

 しかし、エルパソにはトランプ氏の反移民や差別的な言動が事件の遠因と考える住民が多く、歓迎ムードはなかった。

 事件現場近くに設けられた追悼施設。普段は住民らが静かに祈りをささげているが、トランプ氏のエルパソ訪問前、同氏のスローガン「米国を再び偉大にする」が書かれた赤い帽子をかぶった女性が現れ、近くにいた住民から「死者への侮辱」と怒声を浴びせられる騒ぎがあった。

 女性は反トランプの男性と口論になり、女性を取り囲んだ複数の住民は「(帽子を)取れ」「その帽子はヘイト(憎悪)だ」とたたみかけた。これに対し、女性は「(トランプ氏は)病院を訪れ、救急隊員に敬意を示すだけだ。何が問題なのか」と反論。双方の溝の深さを改めて印象付けた。

 国境の町エルパソは、人口の多くが中南米系で、移民に寛容な住民が多い。今回の事件は、中南米系移民への憎悪があったとみられる白人の容疑者が車で10時間以上かけてエルパソを訪れ、凶行に及んだ。地元紙エルパソ・タイムズはトランプ氏宛ての7日の公開書簡で「憎悪はよそ者から来た。エルパソからではなかった」と強調した。

 米国内で治安の良い町として知られるエルパソで起きた「よそ者」による事件に、トランプ氏の発言が容疑者に影響を与えたと考えるエルパソ市民は多い。トランプ氏訪問に合わせ、市内で開かれていた抗議集会に参加した男性(64)は「彼が(事件の)原因なのになぜエルパソに来るのか理解できない」と語った。

 地元の反応が冷ややかな中、トランプ氏は訪問前夜の6日、同氏の事件の責任を訴えている大統領選立候補者のオルーク元下院議員に「静かにしろ!」とツイート。また、エルパソの直前に訪れた、別の乱射事件発生地オハイオ州デートンについても、地元上院議員らの記者会見が「不正確」だとツイッターで批判した。

 ニューヨーク・タイムズ紙などによると、議員らは会見で、トランプ氏が病院で患者に「快く受け入れられていた」と説明。一方、トランプ氏を支持していない人もいたと明らかにした。訪問日程中に政敵を批判するトランプ氏に対し同紙は「癒やしの日に分断を深めた」と批判した。 

最終更新:8/9(金) 12:19
時事通信

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