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「偽装不倫」も失速中…恋愛ドラマはなぜ視聴率を稼げなくなったのか

8/11(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【テレビが10倍面白くなるコラム】

 旅先で思わず「結婚してる」と口走ったために始まった嘘と恋の行方は……。この夏のゴールデンタイムで唯一の恋愛ドラマ「偽装不倫」(日本テレビ系)も、第1話と第2話こそ平均視聴率2ケタだったが、その後は、じり貧になってしまった。

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 ここ数年で、平均視聴率10%をクリアした恋愛ドラマはほとんどない。絶滅寸前である。「東京ラブストーリー」「ロングバケーション」など、ラブストーリーでヒットを飛ばし続けたフジテレビ系の月曜夜9時のいわゆる「月9」も、2017年冬の「突然ですが、明日結婚します」を最後に、恋愛路線をやめてしまった。2ケタどころか、1ケタの、それも6%台と深夜ドラマ並みまで視聴率が落ちてしまったからだ。

 テレビ雑誌の編集デスクはこう話している。

「ドラマの中心視聴層はF2(35~49歳の女性)とF3(50歳以上の女性)なわけですが、いずれも子育てや共働きの真っ最中で、さらに将来不安も募るばかり。惚れた腫れたなんて話を楽しむ余裕なんてない時代なんですよ。ドラマの設定や話の展開にもリアリティーがないから、登場人物たちが間抜けに見えて、入り込めないのでしょう」

 もうひとつ大きく変わったものがある。携帯電話・スマートフォンの普及だ。「月9」最盛期のころは、携帯電話の普及率はまだ25%程度で、「ロンバケ」でも、木村拓哉からの連絡を松たか子が電話機の前でいつまでも待つシーンが、ドラマファンの胸をキュンキュンさせたのだが、スマホではすれ違い、行き違いのもどかしさはなく、声を聞きたい、顔を見たいと思えば、数秒後には手の中の画面に現れる。ケンカをしても、連絡をとってすぐ仲直りをしたり、別れたりしてしまうから、話を引っ張るのが難しい。

 では、今どきの人気ドラマの要素は何だろう。「悪いヤツが最後にヘコまされてスカッとする」「女性のお仕事ストーリー」「見逃してもついていける1話完結」「コミカルな笑いがある」だ。

「その意味で、軽く視聴率20%を超えるお化けドラマ、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)は、すべての要素を備えているんです。秋に2年ぶりに復活するのも当たり前でしょうね」(テレビ雑誌デスク)

 この夏ドラマでいえば、「ノーサイド・ゲーム」(TBS系)はスカッと路線、「監察医 朝顔」(フジテレビ系)と「刑事7人」(テレビ朝日系)は1話完結スタイルで、いずれも2ケタ視聴率を維持している。

 ヒット要素がすべて中途半端で大失敗しているのが、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」だ。すでに、大河ドラマ58作で最低視聴率は確定的である。

(コラムニスト・海原かみな)

最終更新:8/11(日) 18:24
日刊ゲンダイDIGITAL

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