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作新学院に広がる嫌なムード、振り払った執念の盗塁

8/12(月) 9:53配信

朝日新聞デジタル

 大会6日の11日、第1試合に登場した作新学院は筑陽学園(福岡)を延長10回の接戦を5―3で破り、3年ぶりの夏の勝ち星を挙げた。今大会初の「満員」の観客が見守る中、選手たちは勝負強さを発揮し、接戦を制した。次戦は大会10日目の15日、第1試合で岡山学芸館(岡山)と対戦する。

【写真】作新学院―筑陽学園 力投する作新学院先発の林=阪神甲子園球場、金居達朗撮影


■執念の盗塁 闘志に火

泥だらけの作新学院の選手たちは念願だった校歌を甲子園で力いっぱいに歌った。3年ぶりの夏勝利。攻める作新野球を貫いた。

 先発した林勇成投手(3年)は筑陽学園を2点リードして九回2死まで追い詰めた。スライダーを低めに丁寧に集め、再三の窮地を切り抜けてきた。

 左打席に入った石川湧喜選手(3年)に投げ込んだスライダーは内角高めに浮いてしまった。右翼越えの三塁打にされ、土壇場で追いつかれた。「勝ちを意識して投げ急いでしまった」

 昨夏の大阪桐蔭戦の苦杯の記憶が選手たちの頭をよぎった。林投手は八回、藤原恭大選手(現ロッテ)に決勝打を浴びた。甘い変化球をとらえられた。敗戦から、林投手はとにかくボールを低めに集めてきた。

 嫌なムードを振り払ったのが、1番打者の福田真夢選手(3年)だった。「自分が出ればチームが勢いづく」。延長十回、先頭で打席に立つと左前安打で出塁した。自らの判断で二盗。その後三盗も決めた。半ば強引に流れを引き寄せた。適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。

 昨夏の大阪桐蔭戦ではスタメンを外れた。その悔しさを取り返すために、泥臭く練習を続けてきた。小針崇宏監督も「人一倍野球と向き合ってきた選手」と評する。

 福田選手の姿が林投手の闘志に火をつけた。十回裏、とにかく力いっぱい投げ込んだ。「まっすぐで勝負した。チームのために必死で投げました」。3人を凡打に仕留めた。

 林投手は「やっぱり九回で終わりたかったが、やっと甲子園で校歌を歌えてほっとしています」。福田選手は「大勢の観客の前でこんなプレーができて、本当にありがたい。次の試合も投手を楽にするプレーをしたい」と意気込んだ。(平賀拓史)

朝日新聞社

最終更新:8/12(月) 9:53
朝日新聞デジタル

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