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「中高年の経験値は侮れない」止まらないリストラに識者が警鐘

8/12(月) 19:32配信

TOKYO MX

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。7月29日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、健康社会学者で気象予報士の河合薫さんが、多くの企業が進める役職定年世代のリストラに警鐘を鳴らしました。

◆日産は国内880人が対象

日産自動車は7月25日(月)、2022年度までに世界の14拠点で計1万2,500人を削減する構造改革を発表しました。国内では、福岡・栃木両県の工場の計880人が対象となり、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された前会長カルロス・ゴーン被告が主導した拡大路線の脱却を目指していますが、業績立て直しに苦戦しているのが現状のようです。

まず河合さんは、ここ数年に大手企業でリストラされた人数を紹介します。

◆増え続ける非正規雇用と60歳以上の労働力人口

実に多くの人たちがリストラされていますが、「業績不振によるものではなくて、業績が良いにもかかわらず“AI化を見据えて”という大義名分を掲げて40代後半~50代をリストラする企業が増えている」と指摘します。さらに「40代後半~50代でいきなり世に放り出されて、正社員の仕事はほとんどない。あるのは本当に一部の人だけ」とも。

従業員には60歳以上の雇用延長組や再就職組が加わり、非正規雇用が増加。役員を除く雇用者に占める非正規雇用の割合は、65歳以上が76.3%という状況です。

また、2007年の最低賃金(719円)に近い時給800円未満で働く人数は、約7万2,000人。10年後の2017年には、最低賃金(932円)に近い時給1,000円未満で働く人数は約27万5,000人とおよそ4倍増加。

その一方で、2015年の60歳以上の労働力人口は1,304万人と、こちらも10年前の2005年と比較すると、およそ4倍増です。さらに15年後の2030年には、60歳以上の労働力人口は1,439万人に増加すると推測されており、これは全体に占める割合は22.6%、55歳以上は35.4%という現状が待ち受けています。

◆高い応用力も武器に

こうした厳しい状況下ながら、役職定年世代の武器である「経験値は侮れない」と河合さんは声を大にします。新しい技術を教えた場合、経験値が豊かな50代は、若い世代よりも身につくまでの時間は多くかかりますが、応用力が非常に高いそうです。

日本の技術系企業のなかには、「そうした経験値を高く評価し、リカレント教育によって新しい経験をさせることで55歳以上の人たちを戦力として雇い、80歳まで働ける企業もある」と話します。

◆「プロフェッショナルの部分を作ることが大事」

これにMCの堀潤は「そういう企業を一覧にして、きちんと潤沢な投資が受けられるように可視化してほしい」と関心を寄せます。そして、「(人材を)使い捨てにしている企業もあり、それが日本の30年を弱らせた。バブルが崩壊して、リーマン・ショックがあって、有能な技術者が切られて中国や韓国の企業に技術が渡ってしまった。二の舞いではダメ」と指摘。

プロゴルファーでゴルフ解説者のタケ小山さんは「企業に入ったら、自分の生業となるプロフェッショナルの部分をしっかりと作ることが大事。それができる会社が(人気企業の)上位にくるべき。30年後を見据えて、自分の働きたい場所と、何をやっているのかを真剣に考えたほうが良い」と若者に向けたエールも。

若い世代に高い報酬を支払って優秀な人材の抱え込みに打って出る企業があるなか、河合さんは「それも大いに結構なことだけれども、日本は少子高齢化を迎えていて、たくさんの(50代以上の)人材がいるんだから、並行してその人たちにもコストをかけて、使えるようにしないといけない」と提言しました。

最終更新:8/12(月) 19:32
TOKYO MX

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