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日本の貿易黒字が減少中。これはヤバイ!?

8/12(月) 21:15配信

LIMO

グローバルでも隣国とも貿易摩擦がかまびすしい今日このごろ。おかげで株価も乱高下して、ヒヤヒヤされている方もたくさんいらっしゃることでしょう。

日本の貿易収支の推移を見る

もっとも株価は短期的な材料で動くものですから、この程度の乱高下は想定内としておいてください。今日はそうした短期的な話ではなく、長期的な日本の経済基盤について考えてみたいと思います。

日本の累積貿易収支は240兆円

筆者が中高生の頃は、日本は輸出で稼いで食っていると教わっていたのですが、改めてグラフにしてみると、貿易黒字が定着したのは1980年代になってからということが分かります(図表1)。

1970年代までは年によってバラつきがあり、必ずしも貿易黒字が定着していたわけではないですね。むしろ、貿易収支の累計値は1980年代まで収支トントンの状態でした。

1980年代前半からは怒涛の輸出が奏功し、1981年からは30年連続で貿易収支がプラスとなっていました。

この影響で、巨大な対日赤字を抱えていた米国の自動車産業は苦境に落ち、デトロイトで日本車がハンマーで叩き壊されるというデモンストレーションを見たことがある読者の方も多いことでしょう(最近でも日本製品ボイコットと言ってひっちゃぶいたり、踏み壊したりという狼藉が近所で見られますが、当時の米国に比べればかわいいものです)。

それはさておき、戦後ずっと日本企業が頑張ってきたおかげで、日本の貿易収支累積額は240兆円にもなっているわけです。もちろん、純利益が240兆円溜まっているわけではないですから、そこは謙遜しないといけませんが、世界でも類を見ない黒字国ではありました。

中独露には脱帽

しかし、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)によれば、2017年度の貿易収支トップの国々は中国(約46兆円)、ドイツ(31兆円)、ロシア(約13兆円)となっており、単年度でみると日本を大きく凌駕しています。

データ取得可能な1980年からの累計(2017年まで)を見ると、この3国の貿易収支累計額はそれぞれ、4016兆円、473兆円、695兆円ですから、残念ながら日本はこと貿易においては、このビッグ3にはかないません。

日本は1980年代初頭から、当時としては比較的付加価値が高かった自動車、バイク、家電(テレビ、ラジカセ)、電機機器などをバンバン輸出して貿易黒字を稼いでいました。モノが良かったのです。

いまでも、それらの製品は(さすがにテレビ、ラジカセはないですが)売れていますが、時代は変わってスマホ、ハイテク製品小物から日常衣料品まで、すっかり中国の独壇場となってしまいました(日本企業も中国に生産拠点を持って日本に輸出していますから、実のところ貿易統計は仔細に検討する必要はありますが)。

ドイツは欧州中心に確固とした製品輸出基盤を保有しています。日本でメルセデスベンツ、BMWが輸入車のトップ2であることからも、その理由は分かろうというものです。筆者は30年ほど前にイタリアに住んでいたことがあるのですが、イタリア国内でも汎用家電はイタリア製、高級白物はドイツ製、ラジカセは日本製と決まっていました。

ロシアは大国ですが、チマチマした家電やスマホ製造は得意でもなければ、“西側諸国”が工場を作ろうとも思わないので、結局石油やガスなどの資源輸出が得意科目です。正直、欧州はロシアのエネルギーがないとやっていけないのが現実です。ですから、ロシアに思いっきり物申すことのできる国はドイツぐらいなのですね。

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最終更新:9/13(金) 12:16
LIMO

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