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「押し付け」佐賀県知事の怒り爆発 九州新幹線長崎ルート、迷走の与党検討委員会

8/13(火) 12:22配信

47NEWS

 「中央からの押し付け」「国がやろうとしている地方創生はこういうやり方なのか」と佐賀県の山口祥義知事が怒りを爆発させた。九州新幹線長崎ルートのうち着工していない約50キロの武雄温泉―新鳥栖(佐賀県)間について与党検討委員会が8月5日、佐賀県が望んでいないフル規格(複線の専用軌道を新設)で整備する方針を決めたからだ。与党検討委が佐賀県を含めた関係6者の合意を破棄し、地元の意向を無視した「フル規格により整備することが適当」との結論へと突っ走ったことで佐賀県は「地方自治権の侵害だ」(関係者)と態度を硬化させており、長崎ルートの整備の行方は視界不良だ。 (共同通信福岡支社編集部次長=大塚圭一郎)

 ▽4者協議も委員長との面会も拒否

 「地元負担が求められている整備新幹線について、地元の県が求めていないのにフル規格で整備すると中央が押し付けるやり方は、地方自治の観点から大きな問題と言わざるを得ない」。8月7日に佐賀県庁で報道陣の取材に応じた山口知事はひとしきり不満をあらわにした後、「問題だと思いませんか、皆さん」と報道陣に問い掛けた。

 その上で、総務省の官僚時代を含めて地方自治に長年関わってきた経験を踏まえて「特にこういう地域振興、整備新幹線は地域の気持ちがあって初めて成り立つ」との信念を訴えた。そんな地域の感情を無視した与党検討委のフル規格方針決定に「上から押さえつけている」と反発した。

 与党検討委員会が盛り込んだ国土交通省、営業主体となるJR九州、佐賀県、長崎県の4者協議についても「フル規格をベースにしたような議論をする場であれば参加するつもりはない」と拒否する考えを強調。8月6、7両日に九州へ出向いた同委員会の山本幸三委員長との面会希望にも応じず、溝の大きさをうかがわせた。

 整備新幹線は国交省の独立行政法人、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が建設を担う。現在の負担スキームでは、運行するJRが30年間にわたって線路使用料(貸付料)を支払い、国がJRの貸付料を除いた金額の3分の2、立地する自治体が残る3分の1をそれぞれ負担する。自治体の負担分のうち9割は地方債を発行して賄うことが認められており、購入者に返済する償還時に一定額を国からの地方交付税で負担する。

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最終更新:8/13(火) 16:56
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