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「うん、うんと聞いてくれる人を見つけましょう」

8/13(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【ストレス社会の生き延び方】#5

 厚生労働省の調査(16年)によると、仕事で強いストレスを感じている労働者は59.5%と約6割にものぼっている。

 そのうち、家族や友人などに相談したのは約8割。相談して「解消された」「気が楽になった」と答えたのは合わせて92%と、その効果がうかがえる。

「相談する相手を持つことは、メンタル不調にならないための3つのセルフケアのうちの1つです。それは何も専門家でなくても家族や同僚、友人に話すだけで発散でき、効果はすごく大きい。ただ、上司などに話をすると途中でいらないアドバイスをしてくることもあるので、『うん、うん』と聞いてくれる人を見つけましょう。その点、話を聞くのが専門である産業医やカウンセラーはうまく聞いてくれ、こんがらがった糸がほどけていきます」

 2つ目は「長時間労働による負の連鎖を断ち切る」こと。

「長時間労働をしている人は睡眠時間が少ない。そして睡眠時間が短いと体や心の健康を害するリスクが高いとされています。また、会社と家の往復だけという生活は『会社が自分のすべて』になってしまい、何かうまくいかないことやミスがあると、心のよりどころがなくなってしまう。メンタル不調で休職をしたケースでは『世の中の人は、5時、6時になると帰宅するんですね』と言う人がいました。この方は就業時間を意識したことがないのだと言います。長時間労働が当たり前になると違和感を覚えなくなってしまうんですね。これは非常にまずい。また、不平や不満が募ってくることもメンタル不調の要因になりかねません。働き方改革での是正に注目したいところです」

 3つ目は「睡眠するための時間を確保する」こと。

「布団に入った時間は分かっても入眠時刻は分かりません。そこで私が注目するのが、睡眠時間ではなく、布団やベッドにいる(いた)時間です。この床上時間は長いか、短いか、眠れているのか、否かの4つに分類できます。理想的なのは床上時間が長くて眠れているパターン。一番良くないのは短くて眠れていないパターン。短くても眠れているパターンはまだいいのですが、長くて眠れていないパターンはどうか。人間の睡眠時間は1サイクルで90分。例えば6時間なら3、4回はサイクルを取れています。私の職業的な感覚では2サイクル取れていない日が2週間続くと、高率でうつ病になると言えます。床上時間が4時間しか取れないと2サイクル以下になる可能性が高く、かなり危ない」

 最低でも6時間くらいは確保したいところだ。

「とにかくベッドに横たわっていれば1サイクルくらい逃しても3サイクルは取れるので、メンタル不調になる可能性は低いでしょう。毎日でなくても週に数回、確保すればリスクはだいぶ回避できます。このように床上時間を意識することが体や心の健康の維持に役立つのです」

(武神健之/日本ストレスチェック協会代表理事 構成/中森勇人)

最終更新:8/13(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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