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JDI、832億円の最終赤字で債務超過

8/13(火) 14:55配信

東京商工リサーチ

最終利益は832億7400万円の赤字

 8月9日、経営再建中の(株)ジャパンディスプレイ(TSR企業コード:294505385、東証1部、以下JDI)は2020年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高は904億2100万円(前年同期比12.5%減)、最終利益は832億7400万円の赤字(前年同期は17億7100万円の赤字)だった。
 
 同日の決算説明会で菊岡稔・常務執行役CFOは、「厳しい競争環境の継続、顧客の在庫調整、米中の貿易摩擦とみられる需要減が響いた」と減収理由を述べた。大幅な純損失は、白山工場の減損を中心とした事業構造改革費517億円を特別損失に計上したことが主な要因。これに伴い、6月30日時点の純資産合計は▲772億3700万円となり、債務超過に転落した。
 債務超過への転落は、取引先などステークホルダーには想定外で驚きをもって受け止められた。JDIは中国系投資ファンドなどで構成する Suwa Investment Holdings, LLC(ケイマン諸島、以下Suwa)からの資本注入や、(株)INCJ(TSR企業コード:033865507、旧:産業革新機構)への債務の株式化など、リファイナンスに向けた交渉を進めている。
 
 8月13日、JDIは「第3四半期中に債務超過を解消する見込み。当面の資金繰りもINCJ 及び取引銀行から盤石な資金支援を受けており問題ない」とする声明を発表した。
 アップル社からの前受金(2019年3月末で約1,000億円)の返済は減額するもよう。JDIは今年5月、向こう2年間にわたり前受金の返済を、当初予定の半額にすることでアップル社と合意。この時、東京商工リサーチの取材にJDIの関係者は、「(この合意で)2年間合計でキャッシュフローは200億円程度の改善を見込む」と明かしていた。ところが今回、前受金の返済を「(予定額の)4分の1に圧縮する」(JDI)という。
 最大の得意先であるアップル社への返済繰り延べに加え、INCJやSuwaとの資金繰り支援交渉を進めるJDI。ただ、INCJが債務保証する1070億円のコミットメントライン期間はこれまでは1年間だったが、最新の契約は8月2日~12月30日の5カ月間に短縮された。
 
 JDIが示す「当面の資金繰り」とは、いつまでを指すのか。アップル社の発注がこれまで以上の水準を維持できるのか。ステークホルダーはJDIの綱渡りの交渉を見守っている。

最終更新:8/19(月) 16:51
東京商工リサーチ

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