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各社のトップを引っ張り出しても…JDIの後戻りできない“握手会見”はいつ?

8/13(火) 18:18配信

ニュースイッチ

「Suwa」との会見中止…危ぶむ声、打ち消せず

 ジャパンディスプレイ(JDI)の経営再建計画が再び揺らぎ始めた。計800億円の金融支援受け入れの契約を結んだ企業連合「Suwaコンソーシアム」との共同会見が9日夕に予定されていたが、突然中止された。4月の支援受け入れ発表以降に出資予定者の離脱が相次ぐなど紆余(うよ)曲折あり、支援実行を危ぶむ声を打ち消す絶好の機会となるはずだった。再建に向けて初めの一歩も踏み出せないまま時間だけが過ぎている。

 9日の会見中止はSuwaのウィンストン・リー氏が来日できなかったため。JDIの菊岡稔常務執行役員は同日の決算会見で「先方が来たくないというわけでは全くない。一部健康上の理由もあった」と説明した。リー氏は同日出した声明で「JDIの株主資本は大幅に健全化すると同時に足元のキャッシュフローが改善され、将来の成長に向けた新たな投資が可能になる」と支援の意義を強調した。

 ただ、Suwaからの金融支援計画は当初想定より大きく遅れている。7日の発表により、中国ファンド大手のハーベストグループと香港ファンドのオアシス・マネジメントからの払込完了期限が従来の2019年12月末から20年8月末へ先延ばしされた。米アップルからの資金確保や、中国当局からの介入がないことなどの前提条件も付く。

 米中貿易摩擦の激化で中小型液晶パネルの市場環境は厳しさを増す。INCJ(旧産業革新機構)からのつなぎ融資で“延命”するだけでは、19年4―6月期で債務超過に陥ったJDIの経営再建は遠のくばかりだ。これ以上の遅れは許されない。

 11年8月31日に政府系ファンドの産業革新機構(現INCJ)と東芝、日立製作所、ソニーがJDI設立の発表会見を開いた。

 当時その実現に奔走した元革新機構幹部は「各社のトップを引っ張り出して握手させ、もう後戻りできないように既成事実化するための会見が必要だった」と振り返る。そうした観点からも、Suwaの会見中止という今回の対応は今後JDI支援への疑念を深めそうだ。

日刊工業新聞・鈴木岳志

最終更新:8/13(火) 18:22
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