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韓国・文大統領の抗日姿勢は非現実的。日韓対立に付け込む中国・ロシア・北朝鮮

8/14(水) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

戦後74年、対馬海峡の波はいまだ高し。日韓首脳が拳を上げ続けるなか、両国の関係は坂道を転がるかのごとく悪化の一途をたどっている。旅行や青少年交流といった草の根の民間交流まで悪影響を与え始めている。

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日本人も韓国人も日韓関係については極めて感情的になりやすい。両国それぞれに歴史的文化的なプライドや対抗心があり、対立時には民族主義やナショナリズムが一気に噴き出してしまう。政治家やメディアが歴史や安全保障、領土の問題を煽れば、なおさらだ。

文大統領の一線を越えた発言

「私たちは二度と日本に負けない」「加害者の日本が居直って、むしろ大口をたたくような状況を決して座視しない」

日本の韓国に対する輸出管理強化を受け、韓国の文在寅大統領は8月2日、大統領府でこう言い放ち、抗日姿勢を露わにした。日本に対するナショナリスティックな強硬発言を発することで、自らの政治的求心力の向上と国威発揚を図ったとみられる。

文大統領はさらに8月5日にも、「南北の経済協力で私たちは一気に日本に追いつくことができる」と述べ、北朝鮮と一緒になって日本と対峙するビジョンを示した。

文大統領の頭の中では、すでに韓国の脅威となる「敵性国家」は北朝鮮から日本に切り替わっているのか。そう疑わせるような一線を越えた発言だった。

北朝鮮は核ミサイル開発を進め、度重なる国連安保理決議に基づいて経済制裁を科されている国だ。まして北朝鮮が韓国全土を射程に収める短距離の弾道ミサイル発射を繰り返す中、南北平和経済の実現を韓国大統領が語るのは、時宜にかなっていない。

本来は「南北 vs.日本」の構図は、両国の戦略的利益や東アジアの安全保障を踏まえればあり得ない。軍事的には日韓の結びつきは切っても切れないほど強い。

日韓は準同盟国、南北は休戦状態

現状では、日本と韓国はともにアメリカと軍事同盟を結んでおり、準同盟国の関係にある。3カ国の枠組みを図に例えれば、日韓はアメリカを頂点とした二等辺三角形の底辺にあたる。いま、その底辺にヒビが入っている。

文大統領がいくら、自らの政策の一丁目一番地である「南北融和」や「民族愛」を韓国国民に必死に訴えようとも、現実には朝鮮戦争(1950~53年)はいまだ休戦状態にある。テクニカル的に言えば、南北の戦争は継続している。

文大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長(朝鮮労働党委員長)が2018年4月27日に板門店で開いた南北首脳会談では、「休戦協定締結から65年になる今年(=2018年)に終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換する」と合意された。

しかし、それはいまだに空手形のままだ。肝心かなめの米朝の非核化協議は行き詰まっている。終戦宣言も出されてもいないし、その先にある平和協定もほど遠い状況だ。

平和協定締結までの長い道のりの間、何か突発的な理由で南北の軍事衝突が起きるかもしれない。そして、それがエスカレートし、休戦協定が破られて第2次朝鮮戦争が始まるという最悪事態も国家安全保障上、想定しておかなくてはいけない。

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最終更新:8/14(水) 20:00
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