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ホワイトハウスが準備中の大統領令を見たらSNSが終わりそうで暗くなった

8/14(水) 12:01配信

ギズモード・ジャパン

SNS終了?

トランプ政権がテック会社の法的保護を取っ払い、政府の統制をめちゃ強める大統領令を準備中です。

大統領令は「SNSは保守を検閲している」という大合唱のもと「オンラインの検閲からアメリカ国民を守る」という見出しで用意されたものなのですが、CNNが概要を入手した草案を見た感じでは、言論の自由を広げるというより、政府の恐怖を植え付ける内容でダーク感満載です。

SNSが政治信条でコンテンツを検閲しているという証拠はどこにもないんですけどね。ヘイトや暴力煽動の投稿が利用規約違反で削除されることは、もちろんあります。だって危ないし、違法だし、現実に移民狩りの銃乱射が起こってしまってるし…。それを政治イデオロギー検閲と感じる向きもあるんでしょね。

第230項が風前の灯火

SNSの運営会社はユーザーの投稿で生じる損害からは免責されていて、予告なく削除や検閲をしても損害には一切責任を負わないことが連邦通信品位法(CDA)第230項で定められています。ところが大統領令では、削除が「競争を阻害する、不公平、または欺瞞的」な場合、損害賠償責任の有無は連邦通信委員会(FCC)が判断するものと定めているんですね。対象は月間ユーザー数が国民の8分の1以上の大企業、つまりFacebook、 Google、Instagram、Twitter、Pinterest、Snapchatです。

ホワイトハウスには「アメリカ政治の話を投稿したら削除された」という苦情が15,000件も殺到中だそうでして、連邦取引委員会(FTC)に苦情受付窓口を設けてFCCと共同で仲裁審理し、政治的に中立の立場からの削除かどうかを判断する制度にするとのこと。

もちろん草案なので修正される可能性大ですが、大雑把にまとめると、SNSの屋台骨の第230項が見直しになって、FCCとFTCが番犬に張り付く、という理解ですね。所轄業務で手一杯なFCCとFTCにそんな余力があるんかいな、と心配になりますが、計画通りに事が運べば、ユーザーの投稿が制限され、最悪、SNSが立ちゆかなくなることも考えられます。

米海軍士兵学校でサイバーセキュリティの教鞭を執るJeff Kosseff教授も、「第230項が形骸化したら、そりゃ大変なことになりますわ」と、今年、米Gizmodoが取材したときに言ってましたからね…。

下手すると、FOSTA(オンライン人身売買禁止法)可決後ほどの激変になります。FOSTAのときは上院通過の2日後、施行されてもいないうちから、Craigslist(コミュニティサイト)が出会い系部門を全面閉鎖しましたからね。『たいして大きな社会問題じゃない』と思うかもしれないけど、第230項を全面撤廃にしたら、他社だって怖くて投稿なんて認められないという話になってしまうかもしれません。

共和党は来年の大統領選に向けて、SNSの「検閲」を政策論争にして盛り上げていく姿勢を見せています。この大統領令も、選挙に向けたスタンドプレイかもしれないし、法的なカードもあるので、このまま通るとは思えません。しかしなんかの弾みで第230項撤廃で誰かが勢いを得て法的なガードも突破してしまったら最後。ネットは随分と住みにくいものになりそうです…。

satomi

最終更新:8/14(水) 12:01
ギズモード・ジャパン

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