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韓国で不買運動拡散も過激対応自制 市民意識が成熟=新たな韓日関係模索を

8/14(水) 14:00配信

聯合ニュース

【ソウル聯合ニュース】日本による経済報復措置への反発から火がついた韓国での日本製品不買運動が、ソウル・日本大使館前で安倍晋三政権を糾弾する抗議集会に発展する事態になっている。一方で、韓日関係悪化の長期化を懸念する声も出ている。専門家らは感情的な対応は状況を悪化させるだけだとして、落ち着いて自制心を持ちながら新たな韓日関係を模索すべきと指摘する。

◇沈静化しない不買運動

 日本製品の不買運動はおさまるどころか、不買の対象が徐々に全産業に拡大している。消費者はインターネットや交流サイト(SNS)を通じて不買対象の日本製品と代替可能な国産品の情報を共有し、不買運動が日常生活に溶け込み始めている。

 最も大きな打撃を受けたのは日本ビールと日本のカジュアル衣料品店「ユニクロ」だ。大型スーパーとコンビニエンスストアでの7月の日本ビールの売り上げは前年同月比5~6割減少した。韓国での不買運動が長くは続かないという役員の発言で批判を浴び、不買運動の標的となったユニクロは店舗の客足が大きく落ち込む。

 さらに、日本の化粧品をはじめ生活、育児、趣味用品にまで対象が拡大し、日本ブランドの売り上げが減少している。

◇「ろうそく集会」に発展 自制の動きも

 労働組合の全国組織、全国民主労働組合総連盟(民主労総)や韓国進歩連帯など約700の団体でつくる「安倍糾弾市民行動」は毎週土曜日にソウルの日本大使館前で「ろうそく集会」を開く。朴槿恵(パク・クネ)前大統領を罷免に追い込んだろうそく集会になぞらえたもので、主催者側によると、毎週1万人を超える市民が参加しているという。

 一方で、このような雰囲気に「便乗」した一部自治体のトップが、無責任に反日感情をあおったとの批判を浴びた例もある。

 ソウル市の中区が日本人など多くの外国人観光客が訪れる中心部に「NOボイコットジャパン」と書かれた不買や日本旅行の取りやめを呼びかける旗を設置したところ、市民からの批判が殺到し、その日のうちに撤去に追い込まれた。

 感情的な対応を抑え、成熟した姿勢で今回の事態を乗り越えるべきとの声も聞かれる。

 SNSでは両国の友好や協力を願う「♯好きです」というハッシュタグが広がる。日本で韓国との関係悪化に心を痛めた人たちが「♯好きです_韓国」とのハッシュタグをつけることを呼びかけ、それに応えて韓国でも「♯好きです_日本」とのハッシュタグが使われ始めた。

◇文化交流に影響 冷静な対応も

 韓日関係の悪化が文化交流にも影響を及ぼしている。韓国出版文化産業振興院は10月1~2日に東京・新宿の韓国文化院で予定していた「日本図書展」の中止を検討している。

 一方で、韓国中部・堤川市で先ごろ開かれた「堤川国際音楽映画祭」では、開幕を前に同市議会が日本映画の上映を取り止めるよう求めて議論が起きたが、予定通り日本映画が上映された。

 第3次韓流ブームが起きている日本ではK―POPアーティストの活動に影響はみられないようだ。日本では韓流と反韓・嫌韓がせめぎあいながら共存してきた長い民間交流の積み重ねがあり、K―POPの人気は根強い。現在の韓流を支える若い世代は政治と文化交流を切り離して考える傾向があることも大きいようだ。

◇過激な動き自制し「成熟対応」 韓日の市民交流重要

 韓国の専門家は韓国での不買運動について、極めて自然な動きとしながらも、行き過ぎた動きを警戒する。

 ソウル大日本研究所の南基正(ナム・ギジョン)研究部長は、一方的な日本の対韓輸出規制に対する市民の不買運動は「当然であり自然な対応」と評しながら、「ソウル市中区の官主導の運動や過激な対応を市民が抑え、開かれた運動を進める姿があちこちで確認されている」と指摘。「市民運動が一歩さらに成熟しているようだ」としながら、1965年の韓日請求権協定について問題意識を持ち、新たな段階に進むべきと指摘した。

 啓明大社会学科のチェ・ジョンリョル教授は韓国での運動について「日本への敵対心をあらわにして韓国内の団結をもくろむのではなく、普遍的な『市民の言葉』で世界の共感を得るべき」と話し、「このような時こそ人権や平和という普遍的価値に共感する日本の良心的市民社会との交流が必要だ」と強調した。

最終更新:8/14(水) 14:00
聯合ニュース

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