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今夏6試合完投の鳴門・西野知輝、最後の9回で降板も「ここまで1人で投げられたことは自信になる」

8/14(水) 13:18配信

スポーツ報知

◆第101回全国高校野球選手権大会第9日▽2回戦 仙台育英8―5鳴門(14日・甲子園)

 鳴門(徳島)が仙台育英(宮城)に敗れた。先発のエース西野知輝(かずき)投手(3年)が立ち上がりを攻められ、初回に4点を取られたことが響いた。継投を用いるチームが多い中、西野は49代表校の中で唯一徳島大会の全5試合で完投。甲子園での初戦・花巻東戦でもマウンドを守り続け、これまで計6試合53イニングを1人で投げ抜いてきた。

 しかしこの試合では7回に「9回は(2番手の)竹内(勇輝)でいく」と森脇稔監督(58)に告げられた。「悔しいけど打たれたので仕方ない。仙台育英は思っていたより甘い球を見逃してくれず、厳しいコースも打たれてすごいなと思った」と指揮官の判断を受け入れ、背番号「1」を争ってきたライバルの竹内に最終回のマウンドを託した。4回には味方が一挙5点のビッグイニングをつくり、一時は1点差まで迫ったが「5点取ってもらってからが粘れなかった。ずるずると点を与えてしまった」と反省した。

 西野はこの夏、なぜそこまで先発完投にこだわったのか。理由は昨年の苦い経験にある。昨年の甲子園は初戦の花咲徳栄戦で先発。終盤までリードしていたが、8、9回に大量点を取られて5―8で敗れた。徳島大会でも途中降板する試合も多く、その中には「負けかけた試合もあった」という。「去年は悔しい思いをしてきたので、今年は1人で投げ抜きたい気持ちで来た。投手が他にたくさんいる他校をうらやましいと思うこともあるけど、今年は1人で強い気持ちを持ってきているので大丈夫」。マウンドは自分が守り抜く、そして自分がチームを勝ちに導くんだ―。その並々ならぬ思いを感じ取った指揮官も「ロースコアなら変えない。あの子は気持ちが強いので」と西野の起用を続けてきた。徳島大会決勝では「手に力が入らなかった」という中、160球を投げチームに2年連続の甲子園切符をもたらした。

 最後の最後で全試合完投の目標はかなわなかったが、試合後西野は「竹内が抑えてくれてうれしかった。いつも後ろで見てくれているので、気持ちよく投げられた」と仲間の好投を称えた。卒業後は大学で野球を続ける予定で「ここまで1人で投げきれたことは自信になるし、これから野球をやっていく上でプラスになる」とうなずいた。3年ぶりの夏2勝は逃したが、甲子園で投じた280球はきっと見る人の記憶に刻まれたはずだ。

最終更新:8/15(木) 8:42
スポーツ報知

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