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コンテストで選ばれた「最高の酒米」で「最高の獺祭」を 

8/14(水) 8:40配信

産経新聞

 「最高の酒米で最高の『獺祭(だっさい)』を」。海外での評価が“逆輸入”される形で人気ブランドとなった日本酒「獺祭」の蔵元、旭酒造(山口県岩国市)が、コメ作りからこだわって「最高の獺祭」を造るプロジェクトに乗り出した。第一歩は「最高の酒米」を選ぶコンテストで、契約農家らが今秋収穫する酒米「山田錦」でエントリー。年明けに審査され、「最高の獺祭」の原料が決まる。(上岡由美)

 山田錦は酒米の王様とも称され、ふくよかで上品な甘みのある酒を醸すとされる。獺祭の醸造にも山田錦のみが使われるなど、「おいしい日本酒」を目指す蔵元からの需要が高い。しかし、稲の丈が高く倒れやすいなど栽培が難しいことから生産者が限られ、新規参入も少ないため生産技術の継承に不安があるのが現状という。

 山田錦のみを使う獺祭を主力とする同社は、これまでも山田錦の安定的な調達につなげる取り組みを推進してきた。今回のコンテストは、さらに一歩進めて、品質向上の意欲を生産者に根付かせる試みだ。

 エントリーは50俵単位。1位になった山田錦は、通常価格の約25倍の1俵50万円、計2500万円で買い取られる。2位は1000万円、3位は500万円。生産者同士の競争を促すだけでなく、「酒米としての品質」の基準が確立される効果も期待できる。

 需要があるにもかかわらず山田錦の生産者が限られるのは、意欲を高める仕組みに欠けているからでは、と考えたのは同社の桜井博志会長(68)。「日本酒の価値を高めていく一翼を、農業サイドにも担ってほしい」とコンテストの狙いを説明する。

 今回エントリーしたのは、同社と契約している農家のうち、北は新潟県から南は熊本県までの28グループ165人。7月25日には大阪市内のホテルで決起集会を開き、代表者らが「今までにない最高の酒米を作ろう」と決意を新たにした。

 来年1月から始まる審査には、人気漫画「島耕作」シリーズに獺祭がモデルの酒を登場させるなど、「郷土の名酒」のPRに一役買っている岩国出身の漫画家、弘兼憲史さんも参加。全国の産地で山田錦の評価を担当している専門家たちが、成分の分析やDNA鑑定、目視による評価などをトータルして、1~3位を選ぶ。結果発表は来年2月の予定。

 決起集会で桜井一宏社長(42)は「最高の酒米を作ることで日本の農業がより元気になる挑戦。農家のみなさんの本気を見せてほしい」と話した。

最終更新:8/14(水) 8:40
産経新聞

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