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シャワーもせっけんも不要?「臭わない」人たち

8/14(水) 13:00配信

The Guardian

【記者:Amy Fleming】
 デービッド・ウィットロックさんは15年間、シャワーも浴びず、風呂にも入っていない。だが、体臭はない。「最初の数か月は違和感がありましたが、その後は慣れました」「体のどこかが汚くなったら、そこだけ洗います」と話すウィットロックさん。だが、せっけんは絶対に使わない。

 腸内のマイクロバイオーム(生物の体内に常在する微生物の総体)の重要性が認識され、プロバイオティクス製品や発酵食品、サプリメントなどのブームにつながったように、肌のマイクロバイオームへの関心も高まっている。マイクロバイオームは何兆個もの微生物からなり、病原体から人間を守り、ビタミンや他の有用な化学物質を作ることで健康を保つ役割を果たす。

 医学生物物理学者から作家に転じ、ライフスタイルの師として知られるパレオ・ママことサラ・バランタインさんは、パレオ・ダイエットを始めて健康体重に到達してから、もっと「石器時代」に近い生活を送るべきだと唱えるようになった。バランタインさんも「週に6時間、ジムで大汗をかく」ものの、入浴の際は水しか使わない。「時間とともに肌が適応しました。体臭はありません」

 カナダ北西部ユーコン準州在住の記者、ジャッキー・ホンさんは、シャワーの際にせっけんを控えるようになって9年たった。「体を手でこすってあかを落とします。1日のほとんどは裁判所内やデスクで過ごすので、汚れにさらされているわけではありませんから」

 カナダ・トロント在住の皮膚科医で昨年、著書「Beyond Soap」を出版したサンディー・スコットニッキーさんは「水洗いだけで悪いことは何もありません」と言う。スコットニッキーさんによると、1950年以降、入浴習慣は週1回から毎日へと変わった。「それにより肌のマイクロバイオームは変わったのでしょうか? 答えはイエスでしょう。それが炎症性皮膚疾患の増加をもたらしたのでしょうか? イエスだと思いますが、はっきりしていません」

 米マサチューセッツ州ケンブリッジに住む、元化学工学技師のウィットロックさんにとって、体を洗わないことは真面目な科学実験だった。その実験に成功し、ウィットロックさんはせっけんを使わない、マイクロバイオームに優しいプロバイオティクス製品を推すスキンケア革命の先駆者となった。ウィットロックさんは泥の中を転がる馬に着想を得て、研究を始めた。馬が泥の中を転がるのは、アンモニアを分解する細菌を肌にこすりつけ、肌を感染症にかかりにくくするためだと考えたのだ。

 ウィットロックさんは、洗うのをやめるだけで自然にこの種の細菌を得られるのではないかと期待した。だがそうはならず、ひどい体臭が出た。そこで、地元の農場の土壌から細菌を採取し、アンモニアとミネラルで培養した。育てた細菌を肌につけると、体臭はなくなった。

 市場調査会社ミンテルの美容アナリスト、ミシェル・ストラットンさんは、プロバイオティクスのスキンケア製品の市場シェアはまだ低いものの、2015年から2019年にかけて300%以上増えており、「間違いなく注視に値する」と言う。

 ただ、ほとんどの関係者は、せっけんは体のある部分を洗うのに効果的だと同意している。バランタインさんは、手洗いの際は今でもせっけんを使う。ただ、pH値が低い製品を選んでいるという。スコットニッキーさんは「髪や体を洗うのは、衛生的にはほとんど関係ありません。でも手洗いは非常に大切です」と指摘する。【翻訳編集】AFPBB News

「ガーディアン」とは:
1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

最終更新:8/14(水) 13:00
The Guardian

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