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痴漢を取り押さえた会社員、全治3カ月の大けが。たとえ補償なくても「また助ける」

8/14(水) 8:14配信

ハフポスト日本版

通勤・通学の電車やバスで、毎日のように起きている痴漢。しかしほとんどの被害者は泣き寝入りし、逮捕にいたるケースは非常にまれだ。

そんな中、ある男性会社員が、逃げようとした痴漢を偶然目撃し、取り押さえることに成功した。

だが、男性はその際、全治3カ月の大けが。

「もしまた痴漢を目にしたら、同じことをするだろう」

男性はそう断言するが、一方で、治療費などを補償する制度は手厚いわけではなく、釈然としない思いも抱いている。

朝のラッシュ、逃げる痴漢にタックル

「痴漢されました!助けてください!」

板橋駅からJR埼京線上り電車に乗り込もうとしていた会社員の吉田圭さん(44歳)が、女性の叫び声を聞いたのは、6月5日午前8時ごろだ。

ホームで会社勤めらしい若い女性が、中年男性のベルトをつかんで歩いていた。

ラッシュアワーのこの時間、埼京線はいつもすし詰めだ。吉田さんも、体の前にリュックを回し、両手を上げた「ホールドアップ」の体勢で、背中から体を押し込んだところだった。

女性が駅員へ痴漢を引き渡そうとした時、吉田さんは「逃げる」とピンときたという。

案の定、痴漢は駅員を振り切り、全速力で階段と反対側、ホームの端に向かって走り出した。

「線路へ降り、線路外へ逃れるつもりだ」

吉田さんはそう考え、走って追いかけた。同時に周囲に向かって「転ばせろ!」と叫んだ。

前日にSNSで、痴漢に足を引っかけ転ばせて捕まえた動画を見ていたからだ。

すると会社員風の男性が、痴漢の前に足を出してくれた。

よろめいて速度が落ちたところに、高校時代アメフト部に所属していた吉田さんがタックルした。

痴漢は無事捕らえたが、無事でなかったのは吉田さんの体だ。

右ひざをホームに強打した上に、痴漢に蹴られて服が破れ、左の脇腹も擦りむいて出血した。

医務室に連れていかれたが、立ち上がれず救急搬送された。

ひざは腫れあがり、救急隊員や看護師に痴漢本人と間違われ、冷たい扱いを受けるという「おまけ」までついた。

1カ月で治ると言われたが、2週間ほどすると、痛みがぶり返した。MRI撮影で、改めて骨挫傷、全治3カ月と診断された。

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最終更新:8/14(水) 10:14
ハフポスト日本版

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