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ファン少なくても成立!?テクノロジーが変えるアイドルライブ

8/14(水) 12:09配信

ニュースイッチ

自由自在に演出改良

 バーチャルならではのライブ体験の開発も進んでいる。バーチャルでは花火やスモーク、衣装替えなどの演出は自由自在だ。海外配信向けに翻訳字幕をリアルタイムに出すこともできる。ライブ中継後にライブ映像を販売する際も、実機に制約されないカメラワークで映像を再編集できる。アイドル本人の視点でライブを見せることも可能だ。そのため「会場に来られなかったファンよりも会場に来たファンの購入が多い」(林CEO)状況だ。

 アイデア次第でいかようにも演出できるため、演者と技術者の距離がより近づいている。一緒に知恵を絞り、すぐに試して演出を改良していく。モンスターズメイト(MZM、バルス所属)のコーサカは「別会場の様子をアバターの背景に映せば360度観客に囲まれたライブ会場になる」と提案する。各会場からの掛け合いを足し合わせれば声量は何倍にもなる。会場ごとに歌の上下パートを分担してハモらせられる。

 観客がスマートフォンをHMDのようにかざすと、すぐ隣にアイドルが現れるなど、正面のスクリーンとスマホを往復することもできる。

 動画配信サービスからライブに参加して、応援テキストを流して埋め尽くす演出は定番になった。常に新鮮な演出が求められるが、MZMのアンジョーは「絶対に誰もやっていない表現がまだまだたくさんある。見つけたらそれが新しい定番になるチャンス」と強調する。

 テクノロジーの進化でアイドルは多数のファンを抱えなくても生きていける環境が整いつつある。ファンが増えたらライブの規模拡大も簡単だ。アイドルが長生きになり、しっかりとファンの心をつかむにつれてコミュニケーションの密度が増していく。コアなファンと特別視されていた関係性は、普通になるかもしれない。

日刊工業新聞・小寺貴之

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最終更新:8/14(水) 12:09
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