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2019年上半期に読まれたビジネス書--ITパーソン注目の10冊

8/14(水) 10:00配信

CNET Japan

 ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」。
書店に行く時間がないときなど、要約を確認してから、ネットで書籍を購入できるなど効率的に読書ができ、ITパーソンの利用はもちろん、IT企業が社員教育の一環として法人契約するケースも増えている。

 ここでは、フライヤー会員が2~7月の6カ月間、どんな本に注目し、要約にアクセスしたのか。閲覧数を多かったビジネス書をランキング形式で紹介する。2019年上半期に注目を集めたビジネス書とはなにか。気になった1冊があればぜひ、手に取ってほしい。

1位:「FACTFULNESS」(日経BP)

 もし「世界はどんどん悪くなっている」と感じているとしたら、それは事実に反している。それどころか世界は確実に、どんどん良くなっている。

 ファクトフルネス(FACTFULNESS)とは、「データを基に世界を正しく見る習慣」を意味する。多くの人は、「自分が知っている世界は、事実とそうかけ離れたものではない」と信じこんでいるだろう。それでは本書に用意された、人口、貧困、教育などについての13の質問に答えてみて欲しい。国際的に活躍しているエリートさえ、ほとんど正解にたどり着くことができなかった質問である。

 どうして世界についての間違った認識が蔓延しているのだろうか。もちろんセンセーショナルなジャーナリズムや、脅しをかける活動家の責任もある。しかしその根本には、私たちの本能に根ざした思い込みがある。本書ではデータに基づいた真実の世界の姿を私たちに示し、そうした思い込みを克服する習慣、すなわちファクトフルネスを身につけるよう提唱している。

2位:「メモの魔力」(幻冬舎)

 「僕にとってメモは『生きること』である」――本書を開くと、この一文が目に飛び込んできた。著者であるSHOWROOM代表、前田裕二さんの講演を聞いた際、対談相手が話しているときに始終メモを取っている姿が印象的だったことを思い出す。さらにページをめくると「メモによって夢は現実になる」「メモで自分を知る」などといった印象的なフレーズが続く。

 著者はメモ魔で、映画や演劇を1作品観ると、多いときで100個以上のポイントをメモするという。そんな著者が、メモを取ることの意義や「知的生産」のためのメモの取り方、メモを通して自分の軸を見つける方法などを指南してくれる。本書からは、著者のメモに対する溢れんばかりの情熱が感じられる。

3位: 「やってはいけない7つの『悪い』習慣」(日本実業出版社)

 世界的ベストセラー「7つの習慣」の系譜を継ぐ1冊――そういわれると手に取らずにはいられない読者も多いはずだ。著者の一人であるデビッド・M・R・コヴィー氏は、7つの習慣の著者、スティーブン・R・コヴィー氏の三男だというのだからなおさらだろう。

 本書を読んだ多くの読者は、自分が罠に落ちていることに気付くことになる。罠から抜け出そうと懸命にもがいている真っ最中であることも少なくないはずだ。罠はそれほどまでに魅力的で、いとも簡単に人を陥れる。そして、罠に落ちてしまったら最後、抜け出そうともがけばもがくほど深みに入り込むことも少なくない。

 しかし本書を読むと、そもそも罠は避けられるものだと気づくだろう。そして、罠を避けられたのであれば、本書の主人公であるアレックスのように、確かな幸せを手にすることができる。

4位:直感と論理をつなぐ思考法(ダイヤモンド社)

 成功するプロジェクトとそうでないプロジェクトの違いは、そこに「妄想」を持った人がいるかどうか、その一点しかない――数々のイノベーションに関わるなかで、著者が確信したことである。「本当に価値あるものは、妄想からしか生まれない」のだ。それでは妄想(ビジョン)とは何か。著者によると、それは実現するかどうかわからない、未来に向けてのアイデアのことだという。

 それは決して一部の天才のものではない。99%の凡人たちにも、妄想を解き放つことは十分にできる。しかも妄想を妄想のまま終わらせることなく、「妄想」をビジネスの「戦略」にまで落とし込むこともできるというのが著者の主張だ。そのカギとなるのが、直感と論理をつなぐ思考法、「ビジョン思考」(Vision Thinking)だ。

5位:「OODA LOOP(ウーダループ)」(東洋経済新報社)

 「PDCAサイクル」に代わる、新たな意思決定のフレームワークとして期待されている「OODA(ウーダ)ループ」。米海兵隊で採用され、現代戦において数多くの勝利に貢献したこの理論が、急激な環境の変化にさらされているビジネス界から注目を集めている。

 まったく新しい理論のように思える「OODAループ」だが、日本のビジネスパーソンにとっては非常になじみ深いものかもしれない。その理由は、OODAループの提唱者であるジョン・ボイド氏がこの理論の着想を得たヒントにある。東西冷戦の終結後、競争や対立の性質を明らかにするために彼が学んだのは、孫子の兵法、日本の剣の達人が記した戦術書、そしてトヨタ生産システムであったのだ。

 チームにおける意思決定スピードを速め、勝利する組織を育てたいと考えているならば、本書はきっと役に立つだろう。

6位:「紙1枚!独学法」(SBクリエイティブ)

 本を読んだりセミナーに行ったりしても、そこで学んだことをすぐに忘れてしまう――これは多くの人に共通する悩みではないだろうか。本書は、この悩みを解決したい人にうってつけの1冊だ。

 著者によると、学んだことを覚えておくためのカギは「目的の明確化」「思考整理」「端的な要約」にあるという。そのうえで本書では、著者オリジナルのフレームワークを使って目的の明確化、思考整理、端的な要約の3つのステップを踏んで学んだことを紙1枚にまとめていき、最終的に20字にアウトプットするメソッドが紹介される。そこに学んだことがぎゅっと凝縮されているから、その20字さえ記憶しておけばいいというわけだ。このメソッドは、本やセミナーから学んだことを覚えておきたいときだけでなく、それを誰かに伝えたいときにも役立つという。

7位:「好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい」(クロスメディア・パブリッシング)

 年配の上司に意見する。気難しい顧客と接する。部下に指導する。社会人となり、年数を重ねていくとともに、さまざまな相手と接することが多くなる。また、コミュニケーションの内容も複雑さを増していく。ふさわしい言葉づかいをその場その場で模索していくことになるが、ふと、不安が頭をかすめることはないだろうか。これでいいのだろうか、この言葉づかいで正解なのだろうか、と。そんなときに、本書を開いてみれば、一段成熟した言葉づかいを手に入れられるだろう。

 著者はANAで接客経験を積んだあと、オリエンタルランド、ジャパネットたかた、再春館製薬所グループ企業といった、タイプの異なる企業を渡り歩き、教育研修に携わった。現在は接遇マナーやコミュニケーションの講師としても活躍している。そうして、バリエーションに富む対人関係から言葉づかいや話し方を学び、磨きをかけてきた。そのなかから、45のワザを紹介するのが本書である。

8位:「人生は攻略できる」(ポプラ社)

 日本では、安定した企業で長く働きたいというニーズはまだまだ根強い。ところが、かつて就職人気ランキングの常連だった大手銀行が、軒並み順位を落としている。銀行の仕事がこの先、高い給与のまま残る見込みが薄いと考える人が増えてきたからだという。これまで安泰とされた成功のための「レール」は、確実になくなりつつある。

 そもそも考えるべきなのは、同じ会社で働き続けることが、これからの時代を生きるうえで自分にとって正しい選択なのかどうかという点だ。

 新しい時代のルールを理解したうえで、「スペシャル」を基盤とし、ここぞというときに正しい選択をする。その積み重ねで、これからの時代だからこそ可能な「自由な生き方」への道が開けていく。若手社会人はもちろん、これから就職活動をしようとする学生にもぜひすすめたい、これからの時代の「キャリアデザインの教科書」だ。

9位:「残業学」(光文社)

 本書は、2万人を超える人を対象とした大規模な調査のデータを分析し、あらゆる角度から徹底的に残業の実態を解明した1冊である。

 近年、「働き方改革」が叫ばれている。実際、パソコンの強制シャットダウンなどの施策を実行している企業も増えたはずだ。一方で、現場の実情を顧みないトップダウンの人事施策ばかり実施され、現場に「やらされムード」が漂っている企業もまた多いのではないだろうか。

 そもそもなぜ、日本には長時間労働の慣習があるのか。どんな歴史を経て、長時間労働が当たり前の社会になってしまったのか。残業はなぜなくならないのか。長時間労働に従事する人は、何を思っているのか。これらの問いは、個人の経験談だけではなく、データやエビデンスをもとに、その構造的な面から検討されなければならない。そうした構造的な検討をしてくれるのが本書だ。

10位:「頭が冴える! 毎日が充実する! スゴい早起き」(すばる舎)

 早起きをしたい、朝型の生活にしたい、そんな思いを抱きながらもついつい夜更かしや徹夜をしてしまうという人は少なくないだろう。本書の著者は朝型生活の達人だ。偏差値30台だった高校生時代に一念発起し、早朝の勉強で同志社大学、その後はケンブリッジ大学大学院の合格を果たした。

 朝型生活のメリットは、早朝勉強で絶大な効果を上げることだけにとどまらない。朝型に切り替えることは、自分で時間をつくり、自分のために使っているという感覚をもたらしてくれる。この「自分の時間を自分でコントロールできている」という充実感が自己効力感につながり、仕事にもプライベートにも良い影響をもたらすという。

 本書では、早起きを成功させるコツや、充実した朝時間の勢いをそのままに、高いパフォーマンスを保つ生活習慣について、さまざまな方向性から提案をしている。誰しもこれならできる、というものがきっと見つかるはずだ。

最終更新:8/14(水) 15:18
CNET Japan

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