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もし明日、韓国との軍事情報共有協定が破棄されたら……どんな問題が起きるのか

8/15(木) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

日本政府が韓国をホワイト国(輸出優遇国)から除外した件への報復として、韓国が日本との「軍事情報包括保護協定(GSOMIA、読みはジーソミア)」の破棄をチラつかせていた問題で、アメリカが両国の仲介に動いている。

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8月9日には、訪韓中のエスパー国防長官が文在寅大統領と会談し、GSOMIAの延長を働きかけたようだ。しかし、その前の鄭景斗・国防部長官との会談では韓国側が難色を示し、延長に否定的な姿勢を見せたとされる。

GSOMIAの自動延長の期限は8月24日だが、破棄のような事態は本当に起こりうるのか、その行方はまだ不透明だ。

では、仮に韓国の拒否でGSOMIAが破棄された場合、どういった問題が起こるのか。

そもそも「GSOMIA」とは何か

世界の国々はいずれも、自国の安全保障にとって脅威となる国やテロ組織などに関する軍事的な情報を集めている。

しかし例えば、同じ脅威にさらされている国同士であれば、互いの持つ情報を教え合うことで、それぞれの安全保障を強化することができる。あるいは、共同で脅威に対処できれば、さらに有利になるだろう。

しかし、相手国に渡した情報を外部に漏らされるようなことがあっては困る。そのため、秘密指定の軍事情報についてはしっかりと秘匿し、外部に漏らさない措置をとることを、互いに約束する必要がある。そこで結ばれるのがGSOMIAだ。

GSOMIA自体は、共有する情報のレベルを決めるものではない。その前提としての条件づくりであって、実際にどんなレベルの情報を共有するかは、後で別途決められる。

いずれにしても、情報を提供し合うことは互いの利益になる。今回の問題では、日韓双方のメディアで「GSOMIAによってどちらの国が得をしているのか」といった論点が出ているが、役立つ情報を融通し合っている限り、どちらにとっても得だ。

米軍が提供してくれる以上の情報がほしい

日韓の安全保障上の共通の脅威は、何と言っても北朝鮮、その先に中国。

GSOMIAを締結して互いの軍事情報を共有することは、対朝あるいは対中戦略上、有益である。さらに言えば、日米韓の3カ国が共同で中朝に対峙するのが最も効果的だ。

その文脈で、日韓の軍事情報共有が進むことは、アメリカにとって非常に大きな利益になる。

いま何より緊急度が高いのは、対北朝鮮の戦略だ。北朝鮮は核ミサイル戦力を現在も保持しており、米朝非核化交渉が停滞するなか、弾道ミサイルの発射実験を繰り返して戦力を着々と強化させている。

では、対北朝鮮を考えたとき、日韓はそれぞれに相手側の持つどのような軍事情報がほしいと考えるだろうか。

日韓はいずれもアメリカと軍事同盟関係にあるため、日米、米韓はそれぞれ情報面でも深く結びついている。大方の軍事情報は、圧倒的なアドバンテージを持つ米軍から提供してもらえる。

したがって、本当にほしいのはそれ以外の情報だ。

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最終更新:8/15(木) 20:00
BUSINESS INSIDER JAPAN

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