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退屈なドラレコ動画を「夏休みの思い出動画」にしよう(前編)

8/15(木) 9:11配信

マイナビニュース

この1~2年で、マイカーにドライブレコーダーを装着する人が増えました。思わぬ事故やトラブルに備えるのが目的ですが、帰省や行楽などの際に通ったルートを動画で記録する思い出ツールとしても役立ちます。

【動画】おいしいシーンを中心に、1分半ほどに短くまとめたドラレコ動画。Avidemuxを使えば、このような見ていて飽きない動画の編集が比較的簡単にできる

ただ、大半のドライブレコーダーは動画が数分程度で細かく区切られて記録されるので、多くのファイルを次々に再生するのは面倒。何より、数時間にもわたるドライブの記録を単純にのんべんだらりと再生するのは退屈だし時間のムダでしかありません。

そこで、ドライブレコーダーで撮影した映像を「夏休みの思い出動画」として楽しむための方法を紹介しましょう。キーワードは「簡単な動画編集」です。

ドラレコ動画、そのままでは扱いづらい

ドライブレコーダーは、クルマのエンジンをかければ起動し、走行シーンを自動的に撮影してくれるので便利だ。ただ、そのような手軽さの反面、撮影した動画ファイルはいささか扱いづらい。

機種や設定により異なるが、ドライブレコーダーの映像は1分や3分、5分など短い動画ファイルとして記録されるのが一般的なので、次々にファイルを開いていく必要がある。ある動画ファイルの最後と次のファイルの最初にまたがって記録されたシーンを見たい場合は、編集ソフトを使って2つの動画ファイルを1つにつなぐ必要がある。

また、高速道路を延々と走行している場面など、変化の少ないシーンは早送りで飛ばしたいもの。そのような場合は、動画をタイムラプス(低速度撮影=高速再生)動画に変換して、短時間で見られるようにするとよい。

これらの動画編集は、無料で利用できるパソコン用のフリーウエアを使えば比較的簡単にできる。オススメは「Avidemux」というフリーウェア。多機能なソフトゆえできることは多数あるが、今回は映像をつなぐ、映像の不要な部分をカット、ファイル形式の変更、解像度の変更といった一部の機能を利用する。

サンプルとして、ドライブレコーダーで撮影した5分+5分=10分の動画を、ハイライトシーンを中心にAvidemuxで1分半ほどに短縮してみた。テロップ処理、タイムラプス処理、モザイク処理も加えたところ、メリハリのある動画に仕上がった。このような退屈感のない動画にすることを目標にしてみよう。


おいしいシーンを中心に、1分半ほどに短くまとめたドラレコ動画。Avidemuxを使えば、このような見ていて飽きない動画の編集が比較的簡単にできる


ソフトをインストールしたら日本語化も済ませよう

では、まずAvidemuxのインストールと日本語化から始めよう。公式サイトのダウンロードページにアクセスし、自分の環境に合ったファイルをダウンロードすればよい。Windows 10ユーザーなら「win64」を選択しょう。

「Avidemux 64-bit Windows Installer」をクリックし、ダウンロードしたファイルを実行すると、日本語でインストールが開まる。基本的にそのまま「次へ」をクリックすればインストールは完了する。

そのままでも一部日本語化はされているが、大半は英語表記のままなので、使いやすさを考えて日本語化も進めよう。Webサイト「TiltStr::不定期版」の「Avidemux - 日本語言語ファイル」から、インストールしたAvidemuxと同じバージョンの日本語言語ファイルをダウンロード。ダウンロードしたファイルを解凍し、「avidemux_ja.qm」というファイルを「Program Files」→「Avidemux 2.7VC++64bits」→「qt5」→「18n」に上書きコピーをすると日本語化が完了する。

ちなみに、ドライブレコーダーの動画ファイルはメーカーによりフォーマットが異なる。今回、4種類のドライブレコーダーで撮影した動画ファイルをサンプルとして用意したところ、どれも仕様が異なっていた。だが、すべてAvidemuxで編集できたので、基本的にドライブレコーダーの機種を問わず対応していると考えてよいだろう。

複数の動画ファイルをつないで1本にしていく

では、まず2つの動画ファイルをつないでみよう。Avidemuxを立ち上げ、1つめの映像ファイルをドラッグ&ドロップすると映像ファイルが読み込まれる。「ファイル」→「追加」で2つ目のファイルを選択すると、1つ目のファイルの後ろに2つ目のファイルが追加される。


複数のファイルをつなぐときは、この作業を繰り返せばよい。つなぐファイルの解像度が異なるとエラー表示が出るが、ドラレコ映像は解像度が同じファイルの連続なので、問題になることはないだろう。なお、動画の途中に他の動画ファイルを挿入する機能はないので、複数の映像をつなぐときは前から順番に追加するのが肝心だ。

動画の不要な部分をカットする

続いては、動画の不要な部分を削除する「カット」だ。まず、カットする位置を決める際に重要となる「フレーム」の説明をしておこう。動画は、何枚もの静止画をパラパラ漫画のように連続で表示する仕組みになっている。この1枚1枚の画像をフレームと呼ぶ。各フレームが静止画のままではファイルサイズが大きくなるため、さまざまなコーデックによりファイルサイズの圧縮が行われるのが一般的だ。圧縮された動画のフレームには「Iフレーム」「Pフレーム」「Bフレーム」の3種類がある。


Iフレーム:このフレームだけで1枚の画像として完結していて、「キーフレーム」と呼ばれる
Pフレーム:Iフレームの画像との差分情報で構成され、PフレームをデコードするにはIフレームの情報が必要となる
Bフレーム:前後のフレームとの差分も使用して圧縮されたフレーム。Bフレームをデコードするためには、前後のIフレームとPフレームの情報が必要となる


要するに、静止画として成立しているのはIフレームのみで、PフレームとBフレームはベースとなるIフレームがないと成立しないわけだ。そのため、圧縮された動画を編集する場合は、キーフレームで区切るのが望ましい。ただし、MOV形式の動画ファイルを読み込んでMP4形式で出力するケースのように、再エンコードを行う場合はフレームが再構築されるので、カットする際にキーフレームを気にする必要はない。

では、実際につないだ映像の前後の不要な部分をカットしてみよう。まずはスライダーをカットしたい付近に移動する。微調整はその下のボタンで操作しよう。操作ボタンの左端は「再生ボタン」、その右側のボタンが「フレーム送り・戻し」、その右側が「キーフレーム送り・戻し」となっている。

「フレーム送り」ボタンをクリックすると1フレームだけ前に進む。時間を見ると0.034秒分。フレーム形式はPフレームとなった。「キーフレーム送り」ボタンをクリックすると、映像が一気に前に進む。時間を見ると約0.5秒分だ。フレーム形式はIフレームとなっている。


Iフレームでカットしたい人は、「キーフレーム送り・戻し」ボタンを使えば前後のIフレームにサッと移動できる。ただし、Iフレームで送ると映像がそこそこ大きく飛んでしまうのが欠点。細かく位置を決めたいときは「フレーム送り・戻し」ボタンを使用し、編集した映像を保存する際に再エンコードするようにしよう。

カットで動画の前後の不要な部分を削除する

続いては、動画の前後の不要な部分を削除する「カット」の作業だ。動画の前の部分をカットしたい場合は、カットしたい位置に移動して「終了マーカ」(Bの文字が描かれたアイコン)をクリックする。すると、動画の開始部分からスライダーのある部分に青枠が表示されるので、キーボードの「Delete」キーを押せばこの部分を削除できる。この部分の動画を別の場所に挿入したいときは「編集-カット」で切り取り、スライダーを移動して「編集-貼り付け」を行えば挿入できる。


動画の後ろの部分をカットしたい場合は、カットしたい位置に移動して「開始マーカ(Aの文字)」をクリック。その位置から動画の終了部分が青枠で囲われたら「Delete」キーで削除できる。動画の途中をカットしたい場合は、その前後の位置を「開始マーカ」と「終了マーカ」で囲めば削除・カットが可能だ。

編集した動画を保存する

ここまでの操作で、不要な部分を削除して必要な部分のみにした動画に編集できた。次は動画の保存だ。ここでは、MOV形式のドライブレコーダーの動画をMP4形式で保存してみたい。念のため、オリジナルの動画ファイルの仕様を「ファイル-インフォメーション」で確認しておこう。

今回は動画出力は「Mpeg4 AVC(x264)」、音声出力は「AAC(lav)」、出力形式は「MP4 Muxer」を選択した。保存ボタンをクリックして保存するフォルダを選択し、ファイル名を入力するとエンコードが開まる。


保存された動画のファイル形式はMP4。ファイルの仕様を確認すると、動画コーデックはH.264、音声コーデックはAACとなった。この仕様ならば汎用性が高いので、SNSなどにアップロードしても問題はないだろう。

後編では、長い動画をタイムラプスで短く再生できるようにしたり、動画にテロップを入れるなどの応用テクニックを紹介しよう。

奥川浩彦

最終更新:8/15(木) 9:11
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