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「投手を生かす」関東一の捕手 悩んで成長、攻守の要に

8/15(木) 13:05配信

朝日新聞デジタル

 終盤の相手の追い上げを粘り強い守りで振り切った。第101回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)で、東東京代表の関東一は14日、九回に熊本工に1点差まで詰め寄られながらも6―5で勝利し、3回戦に進んだ。次戦は第11日(17日)の第4試合(午後3時半開始予定)で山形代表・鶴岡東と対戦する。


■「投手を生かす」目標定め成長 関東一・野口洋介捕手

 関東一の捕手野口洋介(3年)は、マウンドの土屋大和(同)の良さを引き出すことだけを考えた。

 2点差の九回表1死三塁、打席には1回戦でサヨナラ本塁打を放った打者を迎えていた。野口が要求した変化球で、遊ゴロに打ち取った。1点を失ったものの、次打者も変化球で遊ゴロに仕留めて、ゲームセットとした。

 土屋は変化球のコントロールがいい技巧派の投手。この日は変化球が低めに決まり、野口の要求した「変化球でかわす配球」が生きた。

 野口は中学3年の夏にシニアの全国大会で優勝してベストナインにも選ばれた。だが、関東一の先輩とは体つきや技術で差があることをすぐに実感した。特に1学年上の捕手・石橋康太選手(現・中日ドラゴンズ)はまぶしかった。強肩強打で1年夏の甲子園で先発出場し、「守備でも打撃でも存在感があった」。

 野口は1年秋から背番号「12」をもらったが、石橋選手の陰で先発のマスクはかぶれなかった。自分の代になると、石橋選手のようにチームを引っ張れず、力不足を悩んだ。一方で、土屋と谷幸之助(同)の2投手が光りを放っていた。

 秋の都大会の3回戦で敗退した後、米沢貴光監督から「お前が成長すればチームは強くなる」と言われた。どういう捕手をめざせばいいか悩んだが、石橋選手と自分は違うと気づいた。投手を生かせる捕手になろう、と考えた。

 低めの変化球は時にはワンバウンドする。それを体の前に落として止める練習を繰り返した。捕球したら素早く投げられるよう球を握る動作を反復した。守備面で自信が生まれると、打撃練習にも時間を増やすことができ、中軸を任されるようにもなった。

 最近は米沢監督から投手の状態を聞かれる。信頼の証しで、この日も五回終了後に土屋投手の調子を問われ、「変化球が低めに決まっている。乗り切れると思う」と進言した。土屋は交代せずに完投した。

 攻守の要だが重圧はない。「リードで投手のよさを引き出すことが楽しい」。成長した捕手が甲子園でもチームを引っ張る。(山田知英)

朝日新聞社

最終更新:8/15(木) 13:05
朝日新聞デジタル

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