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「自動車事故は一部の人たち」はもう通じない。ある思いを胸に患者たちはラジオを手に取った

8/15(木) 18:00配信

BuzzFeed Japan

同じ悩みを持つ人と、一緒に笑いあえる場を作りたい、そういう思いで始まったラジオがある。

2017年1月から始まった、月に一度、Youtubeで配信されるラジオでは、ある病気の当事者たちが主役だ。8月には30回目の収録を迎える。【BuzzFeed Japan/藤原哲哉】

その名前は、「ぽつラジオ」。てんかんの当事者たちの悩みが赤裸々に語られ、新たな出会いを生み続ける番組だ。

「普段はあまり病気を意識せずに働いている人も、マイクを前にすると話が止まらなくなる。その人の中にあった不安や引っかかりが排出されていく感じです。本人も、もやがかかっていたのが晴れたと言ってくれます」

そうBuzzFeedの取材に語るのは、「ぽつラジオ」を主催する和島香太郎さん。

自身も、当事者のひとりだ。番組タイトルの「ぽつ」とは、どんな意味なのか。

「最初は、ポツリポツリと話し始めてほしい、と思って。ある民話で狐火が、ぽつらん、ぽつらんと灯ると聞いて。そうしたら、光の行列みたいなものがイメージできました。人の言葉みたいなものをラジオで一つ一つ届けることで、行列のように明かりが点って世の中に残ったらいいなって」

病気に関する悩みを抱える人の心に明かりが灯り、安心できる居場所があると思ってもらえれば。

そんな願いを「ぽつ」という言葉に込めたのだという。

悩みが笑いに変わる瞬間

ぽつラジオの人々を結びつけている「てんかん」は、実は身近な病気だ。

日本神経学会によると、てんかんは、およそ100人に1人が発症するといわれている。日本には約100万人の患者がいると想定されている。

症状は短時間でおさまるものの、意識を失って全身がけいれんしたり、理由のない恐怖感・不安感がわき起こったりと、多様な現れ方をする。

適切な薬の服用でおよそ7割の患者が発作を抑制できる。毎日の服薬を欠かさず、生活のリズムを維持することによって、発作をコントロールして社会生活を送る人も多い。

しかし、簡単にはてんかんだと明かせない事情がある。社会にある、偏見や差別だ。

和島さんは14歳でてんかんを発症して、15歳で診断を受けた。病名を知って、最初はホッとしたという。

「手が震えたり、全身が痙攣したりして、死ぬんじゃないかと思いました。なんの難病なんだろうと思っていたら、てんかんだと診断されました。とりあえず、死なずに済むと思いました」

処方された薬で、発作は落ち着いた。てんかんであることは、友達には明かしていたが、親との間に微妙な距離感が生まれた。

「僕は落ち込まなかったのですが、親は落ち込んでいたんです。そういう感じを見せないようにしていましたが、親からは、てんかんを隠すようにやんわりと促されていました」

「友達が自分から遠ざかったりすることはありませんでした。ただ、いろんな人から話を聞いていくと、発作を目の当たりにした怖さから距離を取ろうとする人がいることも知りました。てんかんという病名を知らない人もいるし、自分だけがシリアスに感じているという、そのギャップを感じることがありました」

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最終更新:8/15(木) 18:00
BuzzFeed Japan

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