ここから本文です

中国政府から猛批判浴びる香港デモ隊 “SNSデモ”が成功しない理由とその危うさ

8/15(木) 20:05配信

AbemaTIMES

「8月12日 空港で会おう」
「8月12日 空港に集まろう」

 香港国際空港がデモ参加者で埋め尽くされた12日。その発端となったのがSNS上での呼びかけだ。掲示版には「8月12日の午後1時に空港に集まろう」と呼びかけるスレッドが相次ぎ、賛同する人々によってデモを宣伝する画像が作られ、若者の間で拡散されていった。

 このサイトは「LIHKG」という掲示板で、2016年にサービスがスタート。匿名で誰でも自由に書き込むことができ、これまで様々な議論が交わされてきたが、現在はほぼデモに関する話題で占められている。中には、警察の暴力的な部分の画像とともに、「香港は非常に安全でありません」「香港に来ないでください」と日本語でアピールする人も。「香港への予定を全てキャンセルしてください」とまで呼びかけている。

 SNSでの呼びかけに集まった香港のデモ隊は、リーザ―が不在とされ組織化されていないため、デモ隊の行動に歯止めがきかなくなる恐れがあると指摘されている。こうしたSNS発の民衆運動に、『WIRED』日本版編集長の松島倫明氏は「いま僕らが問うべきは、なぜSNSは世界を変えないのかということ」と疑問を呈する。

 「“アラブの春(※2010年から2012年にかけて中東各国に波及した民主化運動)”もリーダーというものはなくて、民衆が政府を転覆させたわけだが、その後にあと戻りをしてしまったという経験がある。世の中のモメンタム、人々の感情を示すのにSNSはものすごく効果的な一方で、その先の実際に政治を動かす、社会を変えていくというところには、もうひとつステップが必要なのかなと。今回の香港デモもSNSで人々が動員されて、こうして大きな社会現象になっているところまではこの10年間と同じものが見えているが、この次が正念場だと思う」

 では、なぜ“その次”につながらないのか。松島氏は香港の対照的な事例として16歳の環境保護活動家、グレタ・トゥーンベリさんの名前を上げ、「スウェーデンで環境問題に対する抗議デモを始めて、そのムーブメントは世界の若者に広がっている。彼女はまだ子どもで、暴力的なことに走るということはないが、『自分たちは子どもだから社会を変えられない。しかし、未来に住むのは私たちなのだから、政治家なり大人が動かなければいけないんだ』という明確なメッセージのもと、国会議事堂の前で座り込みをしたりしている。実際に政治を動かすための世論の高まりとして、自分たちをしっかりアピールできている。運動を起こす側も受け止める側にも民主主義の“成熟度”があると、こういったムーブメントが効果的に効いてくるのではないか」との見方を示した。

 香港でのデモに対し、中国政府の香港担当報道官は13日、「香港は重大な岐路にある。テロリズムの芽が出つつあり重大な犯罪行為」だと指摘。14日には、中国紙の記者がデモ隊に拘束・暴行された件を受けて、「ほぼテロに近い行為であり、最も強烈に非難する」「人間としての最低ラインを突破した」と強く非難している。

1/2ページ

最終更新:8/27(火) 21:54
AbemaTIMES

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事