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背が高いほうが売れる!? アルヴェル人気の陰でエルグランドとオデッセイが伸び悩む理由

8/15(木) 10:30配信

くるまのニュース

背の高さが人気を左右する!?

 トヨタのLサイズミニバン「アルファード/ヴェルファイア」(以下、アルヴェル)の販売が好調です。2019年上半期(2019年1月から6月)の登録台数は、2モデル合わせて5万6027台と、価格が割安なコンパクトカーのトヨタ「アクア」、日産「ノート」に迫る勢いです。アルヴェルの売れ筋グレードが400万円以上という価格を考えると、相当な人気車といえるでしょう。

オラオラ顔が人気!? アルヴェル・エルグラ・オデッセイを画像で見比べる(41枚)

 Lサイズミニバンは注目度の高いカテゴリーですが、すべてのモデルがアルヴェルのように数多く売れるわけではありません。ホンダ「オデッセイ」と日産エルグランドも、アルヴェルと同じく後席側にスライドドアを備えるLサイズミニバンですが、売れ行きは伸び悩んでいます。

 オデッセイの2019年上半期の登録台数は7887台なので、アルヴェルの合計に対して約13%、エルグランドは約4000台と、アルヴェルの約7%ほどしか売れていません。なぜここまで差が付いたのでしょうか。

 複数の理由が考えられますが、まず外観の違いが挙げられます。

 販売比率の高いエアロパーツを備えたグレード同士で全高の数値を比べると、アルヴェルは1935mm、エルグランドは1815mm、オデッセイは1685mmです。背が低いオデッセイと比較すると、アルヴェルは250mmも背が高くなっています。

 そうなるとアルヴェルの室内高も、オデッセイを250mmくらい上まわりそうですが、実際はそこまで差が付きません。室内高はアルヴェルが1400mm、オデッセイは1325mmなので、75mmしか差がないのです。

 アルヴェルの全高が1900mmを超えるのに、室内高が1400mmにとどまる理由は、オデッセイに比べると床を高く設定したからです。オデッセイは燃料タンクの形状などを工夫して、床を低く抑えて天井の位置も下げましたが、アルヴェルはそうなっていません。

 機能的に考えると、必要な室内高と最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)、床面形状が確保されれば、クルマの床は低いほどメリットが生じます。床が低ければ乗り降りがしやすく、オデッセイのように必要な室内高を確保した上で、天井も低くできるからです。

 そうなれば重心も下がり、走行安定性と乗り心地が向上します。ボディが軽くなって空気抵抗は減りますから、動力性能や燃費にも良い影響を与えます。

 それなのにアルヴェルは床を高くし、小さなサイドステップを介して乗り降りするので、オデッセイに比べると乗降性が悪いです。重心も高く、走行安定性と乗り心地の確保も難しくなりました。トヨタはミニバンの開発能力が低いのでしょうか。

 この点について、アルヴェルの開発者は次のように説明します。

「現行型のアルファードとヴェルファイアは、プラットフォームを刷新しました。従って床を低く抑えることも可能でしたが、あえて高く設定しています。理由はその方がお客様のニーズに合うからです。

 アルファードやヴェルファイアのような価格の高いミニバンには、立派な外観も求められます。そこで全高を1900mm以上に設定したいと考えました。

 また、シートに座ったときの見晴らし感覚も大切です。床の位置を下げたら着座位置も低くなり、見晴らしの良さは得られません。そこでプラットフォームを刷新しながら、低床設計は採用しなかったのです」

 アルヴェルは、外観を立派に見せて観光バスのような視界も得るために、床や着座位置、天井を高くしたというわけです。

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最終更新:8/15(木) 13:42
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