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鉄道の変電所が減るかも。「き電線」の未来技術が見えてきた!

8/16(金) 20:33配信

ニュースイッチ

鉄道総研、超電導ケーブルで実験成功

 鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が、JR東日本の中央線・日野―豊田間で回送車両を使い、超電導き電システムの適用試験に成功した。架線に電力を供給する直流き電線に、電気抵抗ゼロの超電導ケーブルを用いれば、電力損失を減らせ、ブレーキ時に発生する回生電力も、より効率的に活用できる。省エネルギー化とメンテナンス軽減につながる将来有望な鉄道技術として開発を進め、早期の実用化を目指している。

 都市鉄道をはじめとする直流電化区間では数キロメートルごとに変電所を設けて、き電線を通じて電気を送り出している。電線の電気抵抗や電車の走行によって、変電所間には電圧降下が発生する。電圧が著しく低いと電車の走行に影響を及ぶため、運行本数の多い区間では変電所を細かく設置しなければならない。

 超電導き電システムを導入すると、電圧降下の問題を解消でき、変電所の負荷を軽減して変電所を削減することも可能だ。電力損失の低減や回生電力の有効活用は一層の省エネ運行につながる。変電所の削減や回生ブレーキ拡大による機械ブレーキの使用頻度減は、メンテナンス軽減効果をもたらしそうだ。

 鉄道総研は、ケーブル長408メートルの超電導き電システム実験設備を日野土木実験所(東京都日野市)に保有している。

 7月の深夜、敷地と並行する中央線の既設き電線にシステムを並列接続し、10両編成の営業用車両による走行試験を行った。

 試験は超電導き電並列区間への加速進入とブレーキ進入、加速走行時の超電導き電システム切り離しの3パターンで実施。システムの導入で電圧降下が抑制でき、車両とシステムの双方に異常が生じないことも確認した。

 今回の試験を経て、富田優研究開発推進部担当部長は「(短距離であれば)ある程度まで技術は確立できた」と話す。とはいえ、冷凍機やケーブルの初期投資がかさむため、数キロメートル以上ないと投資対効果は見込みにくい。

 今後、磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)を開発した宮崎実験線(約7キロメートル)の一部を使って、長距離のシステム実用化に向けた実証に着手する計画だ。「2年ぐらいで技術確立したい」(富田部長)と見据える。導入効果と費用との見合いだが、鉄道事業者のニーズと合致すれば近い将来、営業線への採用も見えてきそうだ。

日刊工業新聞・小林広幸

最終更新:8/16(金) 20:47
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