ここから本文です

明治通りの広い空き地、何のため? 総武線と京葉線つなぐ「幻の貨物線」その将来は

8/16(金) 6:00配信

乗りものニュース

港湾整備に伴い貨物支線の延伸を計画

 東京初の環状道路「明治通り」。東京都港区の南麻布から渋谷、新宿、池袋などの繁華街を通りながら北上し、北区からは南下して東京湾岸の埋立地、夢の島(江東区)まで延びています。

【地図】幻の貨物線、どこを通る計画だった?

 夢の島とその北側では、明治通り沿いに幅10mくらいの空き地が続いています。道路を拡張するための敷地のように見えますが、実は総武本線と京葉線を結ぶ貨物線の建設用地として確保されたものです。

 まず1929(昭和4)年、総武本線の亀戸駅から南下して小名木川駅を結ぶ総武本線の貨物支線(越中島支線)が開業。小名木川駅は近くを流れる小名木川の水運と貨物列車の接続地点になりました。

 戦後の1958(昭和33)年には東京港の整備に伴い、越中島支線が現在の越中島貨物駅まで延伸。さらに、東京湾岸の工場地帯を結ぶ貨物線として京葉線が計画されたことから、越中島支線と京葉線を短絡する「南砂町線」の建設も計画され、国鉄は1969(昭和44)年、東京都に対し南砂町線の建設用地の確保を依頼しました。

 東京都が1973(昭和48)年にまとめた『東京港臨海部鉄道計画調査報告書』によると、南砂町線は現在の越中島貨物駅と有明貨物駅を結ぶ約4.6km。ほかに同線への連絡線を約3.3km整備するとしていました。

小型電車を走らせる構想はあるが…

 越中島貨物駅付近から現在の京葉線 新木場駅付近までは、明治通りに沿って建設。新木場駅付近からは、京葉線の建設予定ルートに沿って南西に進み、有明貨物駅に至ります。ちなみに、有明貨物駅は現在の東京臨海高速鉄道りんかい線 国際展示場駅付近に建設することが考えられていました。

 しかし、陸上の貨物輸送の主役が鉄道からトラックに移り、さらに東京の湾岸開発が工場から住宅に変わったため、貨物線の計画は縮小されてしまいます。京葉線は、東京駅と千葉方面を結ぶ旅客列車が走る通勤路線の計画に変わり、現在の新木場駅から川崎方面の工場地帯に抜けるルートの工事は凍結。南砂町線も建設用地は確保されたものの、工事に着手することはありませんでした。

 その後、京葉線の工事凍結区間は臨海副都心のアクセス路線として活用されることになり、1996(平成8)年に東京臨海高速鉄道の臨海副都心線(りんかい線)として新木場~東京テレポート間が開業しましたが、南砂町線の建設用地はいまも空き地のままです。

 江東区は亀戸~新木場間を結ぶ、軽量軌道交通(LRT)の整備を構想。越中島支線の線路と南砂町線の建設用地を活用して、路面電車タイプの小型車両を走らせることが考えられました。しかし、沿線の再開発が進んでいないことや、新木場駅付近にある道路に踏切を設けることが難しいなどの理由から、実現していません。

草町義和(鉄道ライター)

最終更新:8/19(月) 14:26
乗りものニュース

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事