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<ニュースフォローアップ佐賀>多頭飼育崩壊 里親譲渡は4分の1以下程度

8/16(金) 13:39配信

佐賀新聞

【2019年6月23日の記事】飼い犬が繁殖し過ぎて世話ができなくなった「多頭飼育崩壊」が福岡県の民家で起き、6月末までに引っ越し先が決まらなければ、殺処分の可能性があるという。約80匹のうち50匹はめどが立っておらず、広く里親を募っている。

 「私や夫が帰ると、くーんと鳴いて反応してくれるようになりました」。鹿島市の60代女性は7月中旬、多頭飼育崩壊の1匹を迎え入れた。佐賀新聞の記事を見たその日に現地に出向き、とりわけ臆病な推定3歳の雄の引き取りを決めた。

 その日は、1年前に息を引き取った愛犬の命日。「1匹でも助けてあげてと言っている気がした」という。食器から餌を食べることを知らないのかひっくり返したり、人前では食べなかったりと、人に構われなかった影響がみられた。「少しずつ慣れていってくれれば」と、犬のペースに合わせて愛情を注いでいる。

 今回、福岡県で見つかった多頭飼育崩壊では全80匹が殺処分を免れた。半数以上は、動物愛護のNPOアニマルライブ(有田町)、東京や愛知など全国8団体、個人などに保護された。「床に汚物が堆積している上、人慣れしていないので捕獲が難しく、1匹30分かかる場合もあった」とアニマルライブの岩崎ひろみ代表。保護施設の空きを待つ数匹が残っているが、近く受け入れ先に向かうという。

 保護された犬たちは、飼い主となる「里親」に譲渡されるのを目指すが、実現したのは現時点で、直接引き取りの12匹と保護団体経由分を合わせて全頭の4分の1程度にとどまる。数が多くて搬送やケア、訓練に時間がかかる上、保護への関心と理解が進んでいないことが背景にある。

 里親が見つかるよう病院での検査や治療、避妊・去勢手術、ノミ・ダニ駆除のほか、個体によってはかみ癖を直す訓練などを行う。引き取り手がない場合は、各施設で暮らすことになる。

 実際、問題を抱える犬もいた。全盲や、ビニールを食べていたため手術をした例も。適切な投薬がされずノミ、ダニのアレルギーで毛が抜けたり、寄生虫に侵されるフィラリア症がみられたりした。7匹は妊娠中だった。近親交配の影響か体が弱かったり、母犬が子育てをせずに死んだ子犬もいたという。

 岩崎代表は「生き物を飼うにはお金がかかるもの。避妊・去勢手術は飼い主の義務だと思う。最後まで面倒を見る覚悟をしてから飼ってほしい」と訴える。

 病気や高齢を理由に捨てたり、保健所に持ち込んだり、保護施設に引き取りを求めたりする飼い主も後を絶たない。民間の保護団体の多くは人的、資金的に余裕がないのが実情で、受け入れにも限界がある。飼い主のモラルと責任が求められる。

最終更新:8/16(金) 13:39
佐賀新聞

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