ここから本文です

有志ら初の回顧展 いわきの前衛芸術家・故緑川宏樹さん

8/17(土) 9:31配信

福島民報

 いわき市の現代美術をけん引し、二〇一〇(平成二十二)年に七十二歳で生涯を閉じた同市の前衛芸術家・緑川宏樹さん(東京生まれ)の初の回顧展が十八日から、市内の二つのギャラリーで開かれる。「若い世代の芸術家が刺激を受けるきっかけになってほしい」と願う有志が実行委員会を組織し、準備を進めてきた。

 二〇一一年、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で予定していた遺作展が中止となった。新元号になり改めて緑川さんの功績や足跡を伝えようと、緑川さんを支援した緑川宏樹陶友会の織田好孝会長、ギャラリー界隈のオーナー佐藤繁忠さん、アートスペース・エリコーナの中川英明さんら有志が遺作展を企画した。

 回顧展の副題は一九八四(昭和五十九)年、ユーゴスラビアで開かれた第一回世界トリエンナーレ陶芸小品展で名誉賞を獲得した「風は結晶する」。独創的な緑川さんの作品は国内外で高い評価を受けたという。

 緑川さんは若手作家で結成された前衛集団「走泥社(そうでいしゃ)」の同人として京都で活動し、一九七四年、陶芸家だった兄・卓志さんに続き、祖母の出身地いわき市へ移住し作陶を始めた。市民に陶芸を普及する傍ら精力的に市の芸術文化の発展に寄与した。

 同年、地元の芸術家と共に「いわき陶芸家集団」を結成した。一九九三年には愛好家もメンバーにした「いわき陶芸協会」を設立し、初代会長として市民美術展覧会の陶芸の部新設などに尽くした。

 実行委員長を務める織田会長は「大規模な野焼きなど緑川さんならではの活動が懐かしい。倉庫にしまわれたままの作品をぜひ目にしてほしい」と来場を呼び掛けている。

 開催は二十五日まで。ギャラリー界隈とアートスペース・エリコーナを会場に時間は午前十時半から午後六時(最終日は午後四時)まで。会期中無休。

最終更新:8/17(土) 9:31
福島民報

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事