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仏さま「の~らっせ」 茨城県内で盆綱、実態調査も

8/17(土) 14:00配信

茨城新聞クロスアイ

盆の入りの13日、わらで作った綱に先祖の霊を乗せて家々に送り届ける「盆綱」と呼ばれる伝統行事が、県南地域などの集落で営まれた。今年は特に、風習の実態を把握するため、県教委の現地調査も行われた。小美玉市南部の下馬場地区では、準備から本番に至る流れを、県立歴史館の研究員が聞き取りし、所作を写真に収める場面も見られた。

盆綱は、北部九州と東関東で特に見られる風習で、双方が「国選択無形民俗文化財」になっている。そうした位置付けを踏まえ、県教委は本年度から3カ年で、県内の実態を調べ、報告書にまとめる取り組みを進めている。県内で盆綱が実施されている集落は約50カ所。そのうち19カ所を選び詳しく調べる。

盆綱が残る地域は、県内では霞ケ浦週辺が多く、下馬場地区もその一つ。

同日は、集落の共同墓地が脇にある公民館の広場に、地区の子ども会に所属する小学4年~中学3年の8人とその親たちが午前7時半に集合。用意した稲わらの束を、経験豊富な男性の指導の下、数人の男親が共同作業で綱に編み上げ、竜に見立てた頭からしっぽまで3メートル20センチほどの長さの盆綱を完成させた。

午後4時、再び広場に集まった子どもたちは、墓地の脇で綱を囲み、「仏さまの~らっせ」と声を合わせた。年長者を先頭に綱を持ち、地区内の64戸一軒一軒を巡って、霊を送り届けた。各家では先祖の霊を連れて来てもらったお礼に、子どもたちに「心付け」を渡した。全戸を回り終えたのは午後8時半すぎ。すっかり夜になっていた。

訪問先のどの家にも盆綱経験者がいる。子どもたちを温かく迎える一方、「人数が減った」「昔より綱が小さい」と自分たちの頃と比べ、こぢんまりとしているのを嘆く声も。中学3年で今年最後の参加となった村山勝哉さん(15)は、リーダー役を務め、年少者が綱をまたぐ禁忌に触れると、「しっぽにお尻をかまれるよ」と言って、叱る場面もあった。

同地区の調査を担当する県立歴史館の大津忠男学芸課長は「集落単位で先祖を送迎するのはユニークだが、それとは別に、それぞれの家でも墓参りは欠かさないようで面白い。また、子どもたちが行事の意味をよく理解していることも分かり、素晴らしいと思った」と話した。(佐川友一)

茨城新聞社

最終更新:8/17(土) 14:02
茨城新聞クロスアイ

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