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外資が見捨てる東京モーターショー ついにワーゲン、BMW、アウディのドイツ勢が撤退

8/17(土) 19:02配信

ニュースソクラ

残るはメルセデス、ルノーぐらい 北京、上海、バンコクは人気なのに

 2019年10月に開幕する「第46回東京モーターショー」にフォルクス・ワーゲン(VW)、BMW、アウディ、ポルシェなど人気のドイツメーカーが出展を取りやめる方針であることがわかった。海外メーカーで出展するのは独メルセデス・ベンツと仏ルノーなどにとどまる見通しだ。

 海外メーカーにとって成熟市場の日本は高いコストをかけてモーターショーに新型車を出品するメリットが少なくなっているらしい。世界5大モーターショーのひとつとして、国際色豊かだった東京モーターショーの地盤沈下は否めない。

 BMWの日本法人「ビー・エム・ダブリュー(BMWグループジャパン)」のペーター・クロンシュナーブル社長は6月、「東京モーターショーにはBMWブランドだけでなく、ミニブランドとしても出展しない。今後のモーターショーの戦略について議論している最中だ」と述べた。

 アウディジャパンの幹部は7月、「消費者はインターネットでも必要な情報を得ることができる。日本市場への投資は続けるが、消費者への訴求として東京モーターショーは使わないことにした」と述べ、不参加を表明した。

 海外メーカーの関係者によると、日本はVW、BMW、アウディなどドイツ車が人気で、日本法人によるディーラーの整備が全国で進んだ。このため「数億円の高いコストをかけてモーターショーのブースを設けなくても、大都市ならば近くのディーラーで最新モデルを見てもらうことができる。インターネットの時代で宣伝には困らない」という。

 日本ではドイツ車が圧倒的に強く、ルノー、シトロエン、プジョーなどフランス車、フィアットやフェラーリなどイタリア車、ジャガーやランドローバーなど英国車にスウェーデンのボルボを加えた欧州車と米国車は相対的に販売台数が少ない。

 日本で人気がない米国車はもちろん、ドイツを除く多くの欧州メーカーはリーマン・シヨック後の2009年以降、東京モーターショーから撤退する傾向にあった。それが今回、最後まで残っていた人気のドイツメーカーが不参加となり、参加するのは日産と資本関係のある仏ルノーと独メルセデス・ベンツだけとなる見込みだ。

 世界では東京はじめフランクフルト、デトロイト、ジュネーブ、パリが世界5大モーターショーとされる。しかし、近年は北京、上海、バンコクなどアジアの新興国でモーターショーが人気だ。日本はじめ各国の自動車メーカーは新興国の成長を取り込むため、市場のニーズに合った新型車を出展している。

 これに対して、成熟した先進国のモーターショーは、参考出品車で近未来の「夢」を売るのが難しくなっているのかもしれない。

 一部報道によると、トヨタ自動車は今秋、1977年から出展してきた世界最大級のフランクフルトモーターショーへの参加を見送る方針だ。「SNS(交流サイト)の普及で情報収集の方法が多様になり、消費者を呼び込む費用対効果が小さくなったため」という。

 一般の消費者を対象にした伝統的なモーターショーは先進国で曲がり角を迎えているのは間違いない。でも「東京オートサロン」のようなクルマ好きのイベントは今なお人気だ。チューニングカーなど趣味性の高い展示だが、メーカーから話題の新モデルが発表されることもあり、全国紙や民放で紹介されるなど市民権を得つつある。

 それでも1970年代末から東京モーターショーをウォッチングしてきたファンとしては、欧米車だけでなく、旧ソ連(現ロシア)のラーダや韓国のヒュンダイなど多様性に富み、熱気のあった1980~90年代の東京モーターショーが懐かしい。

岩城 諒 (経済ジャーナリスト)

最終更新:8/17(土) 19:02
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