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<知事選>商業施設などでの共通投票所、設ける自治体なし 投票率アップを目的もシステム構築に難

8/17(土) 11:41配信

埼玉新聞

 16年ぶりに新人同士が争っている埼玉県知事選(25日投開票)。県の新たなリーダーを決める選挙となるが、直近3回の投票率は20%台と低調だ。投票率アップや有権者の利便性向上を目的として、2016年の参院選から投票日当日に商業施設などで「共通投票所」を開設できるようになったが、県選挙管理委員会によると、25日に共通投票所を設ける自治体はない。期日前投票で、前回(15年)から投票者数を伸ばしている自治体の上位には、商業施設や駅近接の施設に投票所を設置している市が並ぶ。共通投票所が進まない主な要因として、二重投票防止システムの運用に関するリスクや人件費の負担増などが挙げられる。

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■期日前

 共通投票所は、国政または地方選挙の投票日に、自治体の判断で駅や商業施設など人が集まりやすい場所に設置できる。同じ自治体に居住する有権者なら誰でも投票可能。16年6月施行の改正公選法に盛り込まれたが、県内でこれまでに共通投票所が設けられたケースはない。

 知事選の告示日(8日)翌日の9日から11日までの3日間の期日前投票者数は、前回比で9215人増の2万6981人(1・52倍)。11日現在、前回に比べて期日前投票者数が増えた市区町村は多い順に(1)川口市(950人増)(2)久喜市(556人増)(3)春日部市(513人増)(4)所沢市(340人増)(5)熊谷市(332人増)。

 川口市と所沢市は駅に隣接する行政の出先機関などに、久喜市と春日部市、熊谷市は商業施設に期日前投票所を開設している。県選管によると、商業施設内の期日前投票所は全175カ所中19カ所(10・9%)となっている。

 久喜市選管は、16年の参院選から商業施設「モラージュ菖蒲」内に期日前投票所を開設。担当者は「選挙人に期日前投票所の浸透が図られている。買い物のついでに家族と一緒に投票でき、利便性は高いと思う」と効果を実感する。

■様子見

 一方、共通投票所については、人件費の負担増や市内40の投票区と有権者の情報共有が必要で、共通投票所でシステムトラブルが発生した場合、全投票所の運用に影響を及ぼすリスクなどが懸念されるという。同市選管は「解決しないといけない課題が多い」とし、共通投票所の開設には至っていない。

 7月の参院選で、県内市区町村別で最も投票率が低かった八潮市(40・74%)。同市選管は「共通投票所を開くとなると、ネットワークでつなげる必要がある。(既存の)投票所が小学校だけなら有線ケーブルを使えるが、公民館ではケーブルを引くのが難しい」とシステムの構築がネックとしている。

 埼玉大学社会調査研究センター長の松本正生教授は「投票日当日に共通投票所ができれば、投票する人が増えると思う。ただ、本投票所とオンラインでデータを管理しないといけないので、システムをそろえるのにお金がかかる。これに関しては国も補助金を出すという話になっているので、どこが先手を打つか、自治体間でも様子見の状態」と話している。

最終更新:8/17(土) 11:41
埼玉新聞

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