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早食い高齢者、肺炎リスク 公立能登病院・長谷部長が米誌に論文

8/17(土) 1:09配信

北國新聞社

 よくかまないで食べる高齢者は肺炎になるリスクが高いことを、公立能登総合病院(七尾市)歯科口腔(こうくう)外科の長谷剛志部長が明らかにし、米医学雑誌に論文が掲載された。高齢者の死因で多い誤嚥性(ごえんせい)肺炎の予防は、のみ込む機能の低下だけでなく、その前段階の食べ方とも関係することが調査で初めて確認された。長谷部長は「早食いや早飲みをしている高齢者は注意が必要だ」と指摘している。

 長谷部長は、平均年齢82歳、要介護の高齢者73人を対象に食べ物をよくかんでいるかを調査した。固いゼリー状のものを食べてもらい、のみ込む直前の形状を内視鏡カメラで撮影、比較した。

 73人のうち、(1)「そのままの形状でのみ込んでいた人」は13人、(2)「大小のゼリーが混在していた人」は46人、(3)「よくかんでペースト状になっていた人」は14人だった。(1)は全体の7割となる9人がその後、半年以内に誤嚥性肺炎になり、(2)は7人、(3)は1人にとどまった。(2)と(3)の二つでは統計的な有意差は見られなかった。

 長谷部長は「のみ込むことができていても、丸飲みしているようでは危険だ。多少なりともかむことができていれば誤嚥性肺炎の防止になる」と指摘し、加齢や脳梗塞(こうそく)などでかむ力が弱くなっている高齢者には、適切な口腔(こうくう)ケアや食事内容を調整する必要があるとしている。

 日本人の死亡原因の第3位となっている肺炎は、死亡者の多くが高齢者で、その7割以上が誤嚥性肺炎といわれており、対策が重要視されている。

 東大高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授は「誤嚥性肺炎の予防が既に知られている嚥下(えんげ)機能だけでなく、咀嚼(そしゃく)段階から大きく関わることが報告された意義は非常に大きい」と語る。長谷部長は「高齢者に対する歯科の取り組みとして、口の衛生状態だけでなく、食べ方を診ることは医科との連携においても重要と考える」と述べ、今後の診療に生かしていく。

北國新聞社

最終更新:8/17(土) 1:09
北國新聞社

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