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「踏みとどまれる社会を」 京アニ事件きっかけに考える 龍谷大教授インタビュー

8/18(日) 10:22配信

47NEWS

 35人の死者と数多くの負傷者を出した京都アニメーション放火殺人。青葉真司容疑者(41)は全身やけどの重症で、取り調べに応じられるようになるのは相当先になりそうだ。刑務所を出た後、さいたま市のアパートで暮らしていた容疑者。数日前の近隣住民との騒音をめぐるトラブルが分かっているが、市は個人情報保護を理由に、生活保護の受給や精神障害者保健福祉手帳の交付状況などを明らかにせず、出所後の生活ぶりはほとんど分かっていない。情報が限られる中で龍谷大矯正・保護総合センター(京都市伏見区)の浜井浩一センター長がインタビュー取材に応じ、あくまでも原則論であると断った上で再犯を防ぐ社会のあり方などについて語った。(構成/共同通信=大阪社会部・真下周)

 ―青葉容疑者は2012年に茨城県でコンビニ強盗事件を引き起こし、3年6カ月の受刑生活を栃木県の刑務所で送った。精神障害があると診断されたこともあり、出所時には地域生活定着支援センター(定着)が関与して「特別調整」の対象となった。

 特別調整は、刑務所を出たものの、社会に帰る場所がなく何も支援がなければ再犯する可能性の高い高齢、障害を持つ受刑者に必要な福祉的支援を行うことで社会復帰を促進し、結果として再犯を防止するために作られた制度です。あくまでも出所時に地域社会につなげる仕事であり、今回は特別調整から3年ほど経過しているとみられ、支援後の地域での生活の問題が大きいはずです。つまり刑務所から、定着を経由した地域移行、地域での生活再建ができたかどうかがポイントとなります。

 また定着は、支援の難しいケースを断ることもできます。軽微な犯罪を繰り返す比較的更生が容易な高齢者や知的障害者だけを支援していれば、今回のような事件に関与して、批判されることもありません。特別調整は、あくまでも本人の同意によって行われる福祉的な支援で、刑事司法が行う強制的な措置や処分ではありませんから。ただ、定着が低リスクのケースだけを受け入れていたのでは、本当に再犯リスクの高い人に必要な支援が届かなくなってしまいます。

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最終更新:8/18(日) 21:02
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