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不登校、悩み共有 保護者支援へ「びーんずネット」活動

8/18(日) 13:30配信

カナロコ by 神奈川新聞

 「お母さん、学校に行きたくないです」-。寝る前に長男が残したメモが忘れられないという。川崎市高津区の金子あかねさん(49)の一人息子は6年前、突然不登校になった。インターネットでは適切な情報にたどり着けず、孤独感にも襲われた。そんな経験を基に2018年3月、市民団体「びーんずネット」を設立。悩みを共有し、少しでも気持ちが楽になれる場所を提供しようと、保護者の支援に奔走している。

 小学3年生だった長男が不登校になったのは、13年11月。級友たちとの出会いを避けるため、平日は外出もしなくなった。両親によると、性格は生真面目で、正義感が強く、繊細。幼稚園の頃から女の子にからかわれて不登園になったこともあり、あかねさんは「ついに来たか」と率直に思ったという。

 長男が不登校になって以降はネットを中心に情報を集める日々が続いた。行政のサイトは情報が古く、リンク切れのケースも散見された。元の学校へ戻すことばかりを重視する助言に、違和感を覚えたことも少なくなかった。不登校の子どもを持つ親の会などの存在は知っていたものの、見ず知らずの人の輪に飛び込んで、悩みを赤裸々に打ち明ける勇気もなかった。

 長男は14年5月から東京都内のフリースクールに通うようになった。同じ境遇に置かれた保護者も多く、そこでの交流から親同士のつながりの必要性を痛感、18年3月にびーんずネットを設立した。会社員だった夫の純一さん(47)も「脱サラ」し、取り組みに加わった。

 活動の中心は3カ月に1度のトークセッション型セミナーと、不登校経験者や保護者へのインタビューを収録した事例集の出版だ。あかねさんは「専門家の講演を一方的に聞くだけでなく、当事者は話を聞いてほしいはず」とその狙いを語る。純一さんも「不登校になったその後どうなるのか、そこが知りたい親は多い」と訴える。

 「悩みを吐き出して、ヒントを得て、前向きな気持ちで家に帰ってほしい。まずは親こそが幸せになって」とあかねさん。今後も親身に寄り添っていくつもりだ。

 ◇

 不登校や子育てに悩む保護者向けの「不登校トークリレー」が31日午後1時半から、川崎市中原区のPASAR BASE(パサールベース)で開かれる。参加費2千円。定員50人で事前申し込みが必要。問い合わせは、びーんずネットに電子メール(beansnet.a@gmail.com)で。

神奈川新聞社

最終更新:8/18(日) 20:16
カナロコ by 神奈川新聞

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