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リンゴ有袋20%切る 労働力減り無袋に需要 周年出荷影響も 青森

8/18(日) 11:07配信

日本農業新聞

 青森県の2018年のリンゴの有袋栽培率が19%になり、1990年の統計開始以降初めて20%を割り込んだ。少子高齢化による労働力不足、無袋栽培の需要増で、有袋栽培が敬遠されているためだ。有袋栽培が減るとリンゴの周年販売ができなくなる恐れがあり、県りんご協会やJAなどは有袋栽培の維持に力を入れている。

 有袋栽培はリンゴの果実を病害虫から守り、果実の表面がさび状になる障害を軽減するために、摘果後に1個ずつ袋をかぶせる。貯蔵性も高く、果皮も薄いことから皮ごと食べやすいという特徴もある。4月以降に出回るリンゴのほとんどが有袋栽培のものだ。また、近年輸出が好調な同県のリンゴの中でもベトナム向けは有袋栽培が条件となっている。

 一方、無袋栽培に比べて袋代や人件費、袋掛けなどのコストがかかる。また、近年では無袋栽培の食味の良さが評価されている。農家手取りで比べると、無袋は有袋と比べて20キロ当たり1400~1500円安い。しかし、無袋の方が収量が1、2割多く、加工用の需要も高まっていることから、無袋栽培に切り替える農家が多いという。

 平川市のリンゴ農家、七戸茂春さん(70)は今年から有袋栽培をやめた。七戸さんによると、小売店など出荷先から無袋栽培の需要が高まっていることに加え、袋掛けができる人材が不足しているという。

 七戸さんは「昔はシルバー人材センターから袋掛け作業ができる人が十分に来たが、センターの時給も上がり、人材不足も相まって最後まで作業を貫徹できなくなった。一度無袋に変えると袋の掛け方も分からなくなり、有袋に戻せない」と話す。

 JA津軽みらいは「選果場の従業員も高齢化し、処理能力が落ちている。無袋が増えたら選果が間に合わない」と危機感を募らせる。JAは除袋が楽な「一発袋」と呼ばれる袋の普及を進め、労力削減をアピールする。

 県りんご協会は農家への巡回講座で有袋栽培の利便性を強調。「有袋栽培は袋の数から収穫量が把握でき、価格も安定しているので収益が安定する。日焼けをしなければほとんどを上級品で出せる」という話を農家にしている。同協会は「農家には周年供給の柱として有袋栽培をお願いしている。有袋栽培率2割は維持したい」と思いを語る。

最終更新:8/19(月) 12:11
日本農業新聞

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