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【特別展】戦後の「野球」人気に始まり、「五輪」で広がったスポーツマンガの歴史

8/18(日) 15:10配信

マグミクス

1964年「東京五輪」を機に、ジャンル・題材が拡大

 戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の文化統制によって、大衆娯楽の中から、チャンバラなどの日本的なものは姿を消していきました。その代わりに推奨されたのが「野球」です。チーム同士で得点を争うスタイルは、民主主義の象徴と考えられたのです。そうした風潮の中で生まれたのが井上一雄の野球マンガ『バット君』です。戦後のスポーツマンガの第1号となりました。

【画像】傑作スポーツマンガの特別展、当時の単行本や複製画も(5枚)

 野球以外のスポーツといえば相撲や柔道、ボクシング、プロレスなどの格闘技しか知らなかった子どもたちに世界のスポーツを見せてくれたのが、昭和39(1964)年の東京オリンピックでした。

 さらにその4年後に開催されたメキシコオリンピックでは、日本代表のサッカーチームが銅メダルを獲得。野球により始まった戦後スポーツマンガは、バレーボール、テニス、サッカー、格闘技……など、さまざまなスポーツジャンルを取り込んで、拡大していったのです。

 現在、スポーツマンガは「友情」、「努力」、「勝利」を表現するものとして、少年誌には欠かせないテーマのひとつです。読者の興味を引く新興スポーツはないかと、各誌の編集者は血眼になってヒーローや題材を探し続けています。

 2019年から2020年に向けて、スポーツのビッグイベントが目白押しの日本。さまざまなスポーツの話題が盛り上がるなか、東京・江東区森下文化センター(田河水泡・のらくろ館)で特別展「スポーツマンガの魅力が大集合!! ~名選手を生んだ傑作マンガ!」が開催中です。大きく裾野が広がったスポーツマンガの歴史を、貴重な雑誌の切り抜きや単行本、複製原画で紹介しています。

相いに刺激し合う「スポーツ」と「マンガ」

 昭和33(1958)年入団の長島茂雄、翌34年入団の王貞治の活躍で、巨人軍とプロ野球の人気は沸騰します。そのなかで少年読者の心をとらえたのが、貝塚ひろしの魔球マンガ『くりくり投手』でした。その血脈は、『巨人の星』(原作・梶原一騎/作画・川崎のぼる)などの「スポ根」マンガに引き継がれていきました。

 スター選手の登場やスポーツの発展とともに、スポーツマンガも成長してきたのです。一方で、近年ではスポーツマンガで活躍する主人公に憧れて、多くのスター選手たちが登場しています。「スポーツ」と「マンガ」は、ジャンルの垣根を越えて共に刺激し合い、発展を続けていると言ってよいでしょう。

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最終更新:8/18(日) 15:45
マグミクス

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