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サザン新曲、“スローにちょっとずつ”という深い愛のかたち

8/18(日) 21:06配信

MusicVoice

 「サザンオールスターズの新曲」。そう聞いただけで、心躍る気持ちにさせてくれる。デビュー40周年を迎えたサザンが8月12日に発表した「愛はスローにちょっとずつ」は、前作「壮年JUMP」から約1年ぶりとなる新曲だ。本作は先行配信シングルと、40周年記念本『SOUTHERN ALL STARS YEARBOOK「40」』にCDを封入した2形態でのリリースとなる。しかしなぜサザンは40年もの間、いつだってリスナーをワクワクさせてくれるのだろうか。“スローにちょっとずつ”という、本作タイトルの言葉の視点からサザンの音楽・時代背景などを考察すると、改めて“サザン愛”の深さに気づかされる。【平吉賢治】

ちょっとずつ、たっぷりと、いつだって貰えるサザンの愛

 耳に飛び込んでくるのは、いつもの“我々のサザンの音楽”。デビューから40年、サザンは昭和から平成、そして令和と、いつだってカッコよくて楽しくて、ちょっぴりエロくてたっぷりと面白くて、ワクワクから憂いと憤り、切なさや悲しみと、ありとあらゆる情念を膨らませてくれる。

 8月12日、“ファンの皆さんとともに作り上げていった新曲”という、「愛はスローにちょっとずつ」がリリースされた。

 サザンは、活動休止時期こそあったものの、活動する全ての各時代で“その時々の想い”を音楽へと昇華させ、文化を広げてくれる。それは、先の40周年ツアー千秋楽・東京ドーム公演でも大いに感じることができた。

 この日のセットリストは、デビュー時から現在に至るまでの各年代(1970年代~2010年代)の楽曲がバランス良く、ほぼ均等に振り分けられているというものだった。狙ってか否かというのはサザンのみぞ知る領域だが、老若男女が集まる公演に対する想い、40周年という節目に対する狙いとあれば、とびきり粋なおはからいだ。

 新曲「愛はスローにちょっとずつ」は、優しく気持ちを撫でてくれるようなラブ・バラード。捉え方は人それぞれだから、「泣ける」と感じる人もいれば、「どこかなつかしい」と感じる人もいるかもしれない。

 1978年の「勝手にシンドバッド」からサザンに慣れ親しんでいるリスナーは、本作を「我々が待っているいつものサザンの良曲」と感じるかもしれない。10代、20代の若者は、この曲で初めてサザンを知り、「大御所のバンドで良い曲だな」と感じるのかもしれない。現代だったらまずはネットやYouTubeで検索するのだろうか、きっと「いとしのエリー」、「希望の轍」、「マンピーのG★SPOT」、「TSUNAMI」らの、各時代に放たれた名曲にたどり着き、ちょっとずつ遡りながら、様々なカラーのサザンを堪能することができる。

 サザンは40年間、“ちょっとずつ”走り続けてきた。特大メガヒット曲数多の国民的グループに対して「ちょっとずつ」というのは適切な表現ではないかもしれないが、「どの時代でもコンスタントに作品を発表し続けてきた」という意味の「ちょっとずつ」だと、それは、あまりにも偉大な功績に至るまでの“積み重ね”とも解釈できるのではないだろうか。

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最終更新:8/18(日) 21:06
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