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住民680人の島に300人の韓国人が訪れて起きたこと  大分の離島、大入島の温かさ

8/19(月) 8:12配信

47NEWS

 ▽巡査部長が韓国語講師を引き受けた理由

 「『イルム』は『名前』という意味です」。荒金さんが単語の意味を伝える。今度は島民が2人一組になり「イルムンニョ?(名前は?)」「イルムンムォラゴハムニッカ?(名前は何ですか?)」といった会話文を復唱する。

 荒金さんが韓国語講座を引き受けた理由は2つある。島民が頑張って韓国語を話そうとする姿勢を見て「訪れた外国人がここを他の人にお薦めしたい気持ちになってくれたらうれしい」というのが一つだ。もう一つは、韓国語を勉強していく中で島民が一致団結していけたら、交通安全や島全体の安全につながると考えたことだ。

 今の目標は、10月に開かれる大規模なオルレのイベントで「住民に韓国語が話せる手応えをつかんでもらうこと」。韓国から訪れる人たちを韓国語を使ったおもてなしで驚かせたいと考えている。

 ▽取材を終えて

  フェリーに乗り、わざわざ佐伯警察署まで韓国語講座の開設をお願いしに行った下川さんたち。期待に応えて、1~2週間前から教材の準備に取りかかる荒金巡査部長。観光客を喜ばせたいという純粋な気持ちが伝わってきて、感銘を受けた。授業の中では私語がやまず、荒金さんが困ってしまう場面もあったが、島民の勉強に励む姿勢は真剣そのもの。この取り組みが続いていってほしい。

 「良いことを報道すると、皆がそういう方向で考えることもできるはず。この状況が良くなっていくには、マスコミの役割が大きいと思う」。日韓関係の悪化について、大分県で働く韓国人の友人から言われた言葉が心に残る。20代の私は、お互いの文化を好む同世代の日本人・韓国人に多く出会ってきた。韓国ドラマやKポップに魅せられた1人として、民間交流は円滑にいくのに…と常にもどかしい思いを抱えている。温かな気持ちを持った人がいるという事実だけでも、どうか広がってほしい。未来の明るい関係作りに向けて、大入島のような善意で溢れる行動が増えることを願いつつ、そのためにどうすればいいのか考えさせられる取材でもあった。(共同通信=品川絵里)

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最終更新:8/19(月) 14:38
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