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「京アニ再建のクラウドファンディング」をはじめた理由。主催者に聞いた

8/19(月) 20:00配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

NPO法人ANIC(アニメ産業イノベーション会議)は8月19日、京都アニメーション(京アニ)放火事件の被害者や遺族、京アニそのものを支援するクラウドファンディングをMakuakeで開始した。

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すでに京アニ自身が「支援金預かり専用口座」を設けるなかで、クラウドファンディングでの支援をなぜ開始するのか。

その意図を、NPO法人ANICの松本淳理事長、プラットフォームとして協力するMakuakeの中山亮太郎代表がコメントを寄せた。

「支援の選択肢を増やしたい」 NPO法人ANIC松本淳理事長

2019年7月18日に発生した放火事件で亡くなられた方、及びそのご遺族の皆さまにお悔やみを申し上げます。また今も病院等で治療を受けておられる皆さまのご回復をお祈り致します。

本日よりわたしが理事長を務めるNPO法人ANIC(アニメ産業イノベーション会議)は、10月18日までの2カ月間、クラウドファンディングプラットフォームMakuakeにて、京都アニメーション支援を目的としたプロジェクトを開始しました。これは5月に設立した私が理事長を務めるNPO法人ANICが主体となり、一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)ならびにMakuakeの協力のもと行うものです。

今回のクラウドファンディングは、事件で亡くなられた京都アニメーション社員の方々とご家族・ご親族、療養中の方々と、京都アニメーションが進める亡くなられた社員の方々ならびに療養中の方々や関係者への支援、及び会社再建を目的として、クラウドファンディングによる支援金を募るものです。

振込・決裁手数料を除いた全額を期間終了後、京都アニメーションに振り込みます。

この活動は全てボランティアで行っており、私たちが一切収益を得るものではありません。

なぜ今、クラウドファンディングなのか?
7月18日の事件から1カ月が経ちましたが、国内外で京都アニメーションを支援しようというさまざまな動きが続いています。

私たちは「支援の枠組み」は多様に用意されているべきだと考え、今回のクラウドファンディングをスタートさせました。

事件直後に立ち上がった米国センタイ・フィルムワークスによるクラウドファンディング「Help KyoAni Heal」は日本円で2億円以上の支援を集めたことも念頭にありました。

「京都アニメーション自体が振込口座を開設しているのになぜ」という疑問の声もいただいています。

クラウドファンディングはクレジットカードでの決裁が可能であることや、支援する金額にあらかじめ選択肢を用意できることが大きな利点だと考えています。

また、ソーシャルメディアとの相性も良い仕組みですから、まだまだ支援は必要とされるなか「改めて京アニを支援しよう」という声を広げることができるのではないかと考えました。

クラウドファンディングにはリターンが欠かせませんが、今回ご支援いただいた方のお名前をプロジェクト終了後、専用のページに記載させていただく予定です。またいただいたメッセージは京都アニメーションにお届けします。

いずれも希望される方が対象で、お名前については匿名やニックネームもOKとしています。アニメグッズ店などでも募金箱と共に、メッセージを掲出できるコーナーを設けているところがありますが、それをインターネットの仕組みを使って集めるイメージです。

ANICには、これまでもアニメコンテンツに関わる資金調達をクラウドファンディングで行ってきた経験を持つ理事・関係者がいます。

テクノロジーに比較的強いメンバーがいるということから今回、JAniCAやMakuakeにも相談しながらクラウドファンディングを実現させました。

もちろん、JAniCAが展開するYahoo!募金など今もさまざまな支援の取り組みが続いています。 クラウドファンディングでなければならない、ということでは全くなく、支援方法の選択肢を1つ増やしたに過ぎません。

支援をされたい方が、金銭的手段だけでなく、支援されたい方法でこれからも京都アニメーションを応援していけることが大切だと考えています。

支援が「税務リスクを発生させない」ことの確認に時間がかかった
私自身、アニメ産業の取材・研究を長く続けてきたこともあり、京都アニメーションの作品は繰り返し親しんできました。『氷菓』『響け!ユーフォニアム』ももう数十回は見ていますし、舞台となった場所を訪れたりもしています。今回の事件で受けた衝撃は非常に大きいものがありました(comemoの関連コラム)。

そんな中、わたしやNPOのメンバーは事件直後からクラウドファンディングによる支援が国内でできないかと奔走しました。

そこで立ちはだかったのは、寄付やそこに掛かる「税金」の存在です。

私たちNPOに税金が課せられると判断された場合、支援金をから税金分を差し引かなければならなくなるからです。 支援するはずが、かえって私たちが介在することで支援額が減ってしまうことにもなりかねず、税務署や専門家への確認に追われました。

事件の悲惨さ・重大さがメディアで繰り返し報じられたこともあり、税務面のリスクがほぼなくなったと判断できるにようやく至り、この事件から1カ月経ったあとでのクラウドファンディングの実現となったのです。

このことは、寄付や犯罪被害の救済の仕組みが日本ではまだまだ整って居ないことも明らかにしたと思います。これまでも「支援したいのにできない」といったケースが、おそらく数多くあったはずです。

今回のクラウドファンディングは京都アニメーションを支援するものではありますが、この事件を契機に、寄付や犯罪被害の救済の仕組みが整備されることに期待したいと個人的には考えています。

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最終更新:8/20(火) 8:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

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