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糖尿病患者に朗報 和医大、傷治癒遅れに有効物質

8/19(月) 16:50配信

紀伊民報

 糖尿病が原因で足などの傷の治りが遅れる病気に対し、体内の免疫細胞が作り出すタンパク質「CCL2」が有効で、治癒に重要な二つの細胞に相乗的に働き掛けることが明らかになった。和歌山県立医科大学法医学講座の近藤稔和教授が研究成果を発表した。新しい治療法開発に向け、さらに研究を進めたいという。

 同大学の法医学講座、臨床検査医学講座、循環器内科講座、金沢大がん進展制御研究所が共同研究し、その成果は米国研究皮膚科学会の学術雑誌に掲載された。

 糖尿病患者は日本で増加傾向にある代表的な生活習慣病。2016年の推計では、有病者は日本人の10人に1人、予備軍を含めると5人に1人の割合になっている。

 糖尿病の合併症の一つに、傷が治りにくい病気がある。近藤教授によると、免疫細胞の機能が低下したり、治癒に必要な栄養を送る血管に障害が起こったりするのが原因。現在、有効な治療法はないといい、進行すれば指や足が腐り、切断に至ることもある。

 近藤教授らは、免疫細胞が作るタンパク質「CCL2」が傷の治癒を促進するといわれていることに着目。糖尿病の状態でも十分な効果があるかなどをマウスを使って研究した。

 糖尿病状態のマウスは、健常のマウスに比べ、CCL2の生産力が落ちていることを確認。その上で、糖尿病マウスの皮膚の傷にCCL2を塗布したところ、健常者に近いおよそ2倍のスピードで治癒し、糖尿病状態でも効果が確認された。

 また、CCL2について、傷治癒を促す白血球「マクロファージ」を傷部分に集める作用があることは分かっているが、今回、それだけではなく、新しい血管のもとになる細胞「EPC」を集める能力があることも発見した。

紀伊民報

最終更新:8/19(月) 16:50
紀伊民報

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