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家庭での塩離れ進む? 減塩・低塩市場は拡大へ

8/19(月) 20:01配信

日本食糧新聞

生活スタイルの変化や家庭での調理機会の減少、減塩志向による塩分摂取抑制の動きに伴い、塩業界はマーケットの縮小が続いている。家庭用塩の消費量は減少の一途をたどり、食品製造や惣菜・給食、外食産業で使用される業務用塩も2018年度は大幅に前年実績を割り込んだ。塩を取り巻く環境は厳しさを増しているが、熱中症予防などで適度な塩分摂取への理解も深まってきた。業界全体が一枚岩となり“適塩”の重要性をPRすることで、塩の価値を再訴求する取組みが大切だろう。

家庭用塩は販売量4.5%減

食品スーパーやコンビニエンスストア、百貨店などで販売される家庭用塩の販売量は2018年度も前年実績を下回った。財務省が6月末に発表した最新の塩需給実績によると、2018年度に小売店などを通じて販売された塩(特殊用塩、特殊製法塩を含む)は19万1000トン(前年比4.5%減)だった。

減塩志向の高まりや家庭内での調理機会の減少で、家庭用塩の消費量は右肩下がりの状況が続く。特に2014年度以降は落ち込みが顕著で、家庭内での“塩離れ”が進んでいる。1人の人間が1日に摂取できる塩分量には限界があるため、人口減少が続く今後はこの数字が大きく回復する見込みは少ない。

2019年は家庭用塩の値上げが相次いだ。工場稼働での燃料費や物流コスト、包装資材費、人件費など塩製造にかかるコストが継続的に上昇。オーストラリアやメキシコから輸入する天日塩の価格が大幅に引き上げられ、それを原料に国内で再結晶化して塩を作るメーカーにとって大幅なコストアップになった。企業努力だけではコスト吸収が困難となり、春以降多くの企業が価格改定に踏み切った。

塩事業センターは4月に「食塩」シリーズなど10品を値上げ。2016年4月に値上げした「食卓塩」などの価格は据え置いた。味の素社と青い海も4月1日納品分から一部商品の価格を引き上げた。6月にはマルニが家庭用と業務用で価格改定。7月には日本海水、天塩、伯方塩業などが主力商品を値上げした。

「流通関係者はおおむね理解を示している」(塩メーカー幹部)状況だが、今後は価格改定の早期の浸透が業界全体の課題になる。店頭に並ぶアイテム数が絞られる中、売場の“陣取り合戦”は激しさを増しそうだ。

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最終更新:8/19(月) 20:01
日本食糧新聞

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