ここから本文です

藤川千愛、ソロシンガーとしての存在感を堂々示すしたワンマンツアー東京公演:レポート

8/19(月) 11:10配信

MusicVoice

 歌手の藤川千愛が11日、新宿BLAZEにてライブツアー『Live Tour“Laika“』の東京公演をおこなった。本ツアーは、東名阪に加え、藤川の地元・岡山をまわる、1stアルバム『ライカ』をひっさげての全4公演。藤川がソロとなり1年経たずしてのワンマン公演・新宿BLAZEはフルキャパシティの満員御礼。藤川はライブの緩急から様々な演奏スタイルに多色の歌唱と様々な表情を見せ、グループ卒業後のソロシンガーとしての存在感を堂々と示した。【取材=平吉賢治】


■様々な楽曲演奏スタイルを披露

 藤川千愛のライブのバンドセットはドラム、ベース、ギター、キーボードの編成で、藤川自身がギターを担当する場面もあった。この5人編成でいかなるショーが披露されるのかと構えていると、初曲から不意を衝くようなシーンに驚かされる。

 半透明のスクリーンがステージ前面に広がり、何種もの美しい花のグラフィック、演奏曲の歌詞が映し出されるビジュアルアートがオーディエンスの視界を覆う。言葉と花々に溶け込み歌唱する藤川の姿、鮮やかに輝く美麗な光景に意識が引き込まれるようだった。

 次曲ではスクリーンが上げられ、ブルーの照明に包まれながら明瞭に姿を見せた藤川とバンド。シンプルな4つ打ちのビートに乗るオーディエンスのクラップの拍のなか、藤川はラップ混じりのボーカルを披露しつつ、徐々にフロアを温めた。

 MCで藤川は、「ここから少し会場を温められるような激しめの曲を何曲かやりたいと思います。みなさん一緒に歌ってくれますか?」と、明るい笑顔でオーディエンスのテンションを焚きつけた。そしてここまで、ハンドマイクでのパフォーマンスだったが、レスポールギターを構え「ゴミの日」をギターボーカルとして披露した。重量感のあるレスポールと可憐な物腰の藤川の対比は、彼女の存在感をより一層色濃く示していた。

 若干抑え気味だったテンションはここで急上昇。オーディエンスの右手を掲げてのコールに加え、藤川の歌との掛け合いもあり、曲後の歓声の量も明らかに上がっていく。シリアスな雰囲気ながらもハイテンポの「葛藤」では、藤川の少しハスキー含みでセクシーなロックボーカルがフロアに鋭く刺し込まれた。バンドの弦隊2人と共にステージ最前方でギターをかき鳴らすというクールなパフォーマンスも魅せた。

■絶妙な緩急のドラマチックなライブ展開

 会場一体感が仕上がった中盤、テンポを少しミドル寄りに抑え、「勝手にひとりでドキドキすんなよ」をエモーショナルに歌い上げた。曲の“落ちサビ”では、ほぼ藤川のボーカルとギターのみのセクションも挟み、藤川千愛自身が放つ歌と音がくっきりとステージで光っていた。最後の<ふたりでドキドキしなきゃ勿体ないよ>の一節で、とろけるように楽曲をフェイドアウトさせた。

 そしてここで藤川はギターを置き、メンバー紹介を交えつつ「まだまだ楽しんで行きましょう!」とフロアを更に盛り上げタオルを回しつつのパフォーマンス。もちろんオーディエンスも一緒にタオルをブン回し、夏のライブならではの風流な光景が新宿BLAZEに広がった。曲の終わりに藤川がタオルを客席に投げ込もむも届かずというちょっとしたアクシデントもあったが、「気持ちは届いているよ!」というお客さんの温かいレスポンンスにフロアはほっこり。藤川のファンからの愛され具合を垣間見たシーンだった。

■心の表情までもがダイレクトに伝わる歌唱

 「私、この夏初体験をしたことがありまして」というMCに湧くオーディエンスだが、内容は「とある診断検査で66点を獲った」というもの。66点という評価がどれくらいのものであるかは、検査の詳細によりけりなのだが、この“66”という数字が出たということが奇跡だと藤川はオーディエンスに伝える。藤川は6月6日生まれで“6”という数字が大好きで、“6”自体がハッピーな扱いであるというカワイイこだわりを発表するという一幕だった。

 そしてここで新曲を披露。ファルセット混じりに色っぽく歌う藤川の声と、マイナー調で奏でられるアンサンブルが会場にフレッシュに響き渡った。切なく歌唱された余韻は、カバー「昨日のあたしに負けたくないの」のバラードへと引き継がれ、決して暗くはない憂いを帯びた空気感は「きみの名前」へと続く。

 「みんなが本当に盛り上がってくれて最高です」と、藤川はこの日のワンマンライブの好感触をストレートに伝えた。「あたしが隣にいるうちに」では、藤川の低音域から高音域まで、シンガーとしてのポテンシャルをフルレンジに広げる歌唱を魅せた。力強くも儚さを含んだような歌声から、藤川の情熱が四方八方に溢れ出ていた。

 ギターソロ明けのセクションでは、藤川はアカペラで丸裸の歌唱を魅せる。息遣いから心の表情までもがダイレクトにオーディエンスに染み渡る――。<あなたを包み込みたいの>というラストフレーズでエンディングとなり、大拍手のなか本編は幕を閉じた。

 アンコールでは「ライカ」も披露され、ハーフシャッフルのグルーヴのなかで揺れるオーディエンスは藤川と共にハッピーな空気感のなかで大合唱。最後は「ありがとう! みんな最高です!」と、バンド一斉のジャンプ一発で締めくくった。

 スクリーンアートビジュアル演出にギター演奏、ボルテージの緩急からアカペラの披露まで、ソロ活動となり1年経たずしてのワンマンライブツアー・新宿BLAZE公演は盛りだくさんの内容だった。様々なテイストを含むステージを展開した藤川千愛。ソロシンガーとしての存在感を表情豊かに示した彼女のこれからの活躍に期待が寄せられる――。

最終更新:8/19(月) 11:10
MusicVoice

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事