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「生」のウミヘビからつくるイラブー汁 3日間煮込み滋養たっぷり 八重瀬具志頭「琉球食膳パニパニ」

8/19(月) 7:10配信

沖縄タイムス

 沖縄の伝統料理イラブー汁。一般的にはエラブウミヘビの燻製が使われるが、生から煮て汁物にする店が八重瀬町具志頭にある。持ち帰り料理店「琉球食膳パニパニ」だ。店主の山城美納子さん(46)=町新城=が体を壊した母の食事を気遣ったことをきっかけに「健康にいい食事を広めたい」と昨年12月にオープンした。(南部報道部・堀川幸太郎)

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 イラブー汁(750グラム)は税込み2800円。値段の理由は食材の珍しさ、手間暇掛かる調理にある。

 イラブーは漁の解禁期に産卵のため上陸したのを漁師らが捕まえる。宮古島や石垣島から届くと山城さんが下ゆでして、うろこと内臓を取り除く。1匹ずつ鍋に水から入れて弱火で3日間、丁寧にあくを取りながら煮る。身はほぐれて養分ごと溶け込み、雑味のないシンジムン(滋養食としての汁物)になる。

 とろみのあるスープを口に含むと、初めは豚骨スープのような濃厚さが広がる。尾を引き過ぎず、うまみがすっと舌に吸い込まれる。同じイラブー汁でも、薫製を使った品はかつおだしを思わせるあっさり風味だ。

 イラブー1匹に多くて3個という卵も入り、つぶつぶした食感を楽しめる。ほかの具は昆布や豚肉、テビチ。イラブーとは別々に煮込んでから合わせるため、味がぶつかり合わず、それぞれ味わえる工夫がある。

 山城さんの前職は幼稚園の非常勤教諭。体にいい料理店を志したのは、故郷・那覇市にいる母が10年以上前に体調を崩したことがきっかけだった。結婚して20年余り前から住む町新城産の新鮮な野菜を届けたりするうちに食の健康志向が高まった。

 ヤギ汁やイカ汁中心で開店を考えていた時、イラブー汁の存在を人から教わった。昔は風邪や二日酔いの時の家庭食。細り続ける食文化と聞いて一念発起した。仕入れ先を確保し、宮古島や南城市久高島の料理法を習った。

 両親はイラブーが捕れる宮古島市出身で、山城さんは自分が料理することを「不思議な縁」と話す。宮古島の言葉で「元気」を意味する「パニパニ」と名付けた店。「足腰が弱った年配の方々にも、昔ながらの味を家でゆっくり楽しんでほしい」と持ち帰りにこだわった。

 住所は八重瀬町具志頭1660の1。営業は午前11時~午後7時半で水曜定休。イラブー汁のほか、ヤギ汁(650グラム、1500円)イカ汁(600グラム、1100円)を瞬間冷凍パックで販売。量は減るが同価格で定食仕立ての店内食も可。電話090(4518)9417。

最終更新:8/19(月) 8:25
沖縄タイムス

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