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沖縄の解剖執刀医わずか3人 解剖率全国3位でも、高齢化と独居増で人材確保必至

8/19(月) 8:05配信

沖縄タイムス

 解剖や、死体の外表・病歴などから死因を判断する検案に関わる人手が足りない。沖縄県警が取り扱う死体のうち解剖に回す割合(解剖率)は2018年、7年連続全国3位と高い水準を維持する。一方、沖縄県内で解剖に当たる執刀医は3人しかおらず、検案を担う医師も数が少ない。死因究明に関わる医療機関は、人材の育成や確保を訴えている。(社会部・下地由実子)

 沖縄県警が取り扱う死体は18年1757体と、00年1248体に比べ40%増えている。背景には高齢化や独居などの増加がある。

 事件性があったり疑われたりして解剖に回すのは年約500体ある。解剖率は毎年24~30%で推移。全国平均12%を大きく上回り、神奈川や兵庫など都市圏に次ぐ高さだ。

 沖縄県内の解剖を一手に担う琉球大学法医学講座の二宮賢司教授は「死因の究明は犯罪の見逃し防止や、死因を知りたいという遺族の要望に応えることにつながる」と解剖率の高さを評価する。ただ「執刀医は3人しかおらず、スタッフも足りない」と指摘。「今の状態だと医師1人当たり年約200体を解剖することになる。大学の本来の目的は研究と教育。現状のまま法医の実務をこなすことは困難だ」と打ち明ける。

 一方、事件性がほとんどない死体は検案に回される。担当するのは県警から委嘱された医師で沖縄県内では現在38人。大半は開業医で、診察時間の合間を縫って検案する。

 嘱託医の1人で、沖縄県医師会警察医部会の山城千秋会長は「高齢化や独居、孤独死が増えて検案の数は増えているが、嘱託医も高齢化していて足りない」と話す。嘱託医が3人の那覇署管内では、1人の医師が検案に週2回呼ばれることも珍しくないという。

 山城会長は嘱託医を50人に増やすことが目標とし、「検案の仕事は普通の医師にも知られていない。理解を広め、引き受け手を増やしたい」と話した。

 【ことば】検案と解剖 検案は、医師が外表から死体を調べたり、死体の周りの状況や病歴などを検討したりして、死因や死亡時刻を判断する。事件性のない死体が対象。一方、解剖は死体を切り開いて病気の有無など死の原因を調べる。事件性が疑われる死体を解剖する。

最終更新:8/19(月) 12:55
沖縄タイムス

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