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羽田発着枠、ANAに13.5枠で最終調整 格差是正に終止符

8/20(火) 13:41配信

Aviation Wire

 2020年3月に実施される羽田空港の国際線発着枠の増枠分について、国土交通省が全日本空輸(ANA/NH)へ13.5枠(便)、日本航空(JAL/JL、9201)へ11.5枠を割り当てる方向で最終調整に入ったと、日本経済新聞が8月19日夜に電子版で報じた。

 今回の増枠では、1日当たり50枠分の増便を計画。日本と相手国の航空会社に25枠ずつ割り当てる。2010年1月にJALが破綻以降、発着枠は国内線と国際線ともにANAに傾斜配分が行われてきたが、関係者によると「ANAとJALの差は就航地数の違い」で、今回は運航実績などを基に配分する。

 JALが破綻から再生後、ANAが訴えてきた格差是正は終止符を打つことになりそうだ。

◆約半数が米国路線

 方面別では、1日50枠の半数近い24枠を米国路線に充て、日米に12枠ずつ振り分ける。すでに米国運輸省(DOT)は9日に米国側の配分を正式決定済みで、最多がデルタ航空(DAL/DL)の5枠、ユナイテッド航空(UAL/UA)が4枠で続き、アメリカン航空(AAL/AA)が2枠、ハワイアン航空(HAL/HA)が1枠となった。

 ユナイテッドはANA、アメリカンとハワイアンはJALと提携しており、日本に提携先がないデルタに優先配分され、同社は羽田増枠とともに成田から撤退する。

 ANAとJALも米国路線はドル箱。両社に6枠ずつの均等配分であっても収益拡大が期待できるものの、ユナイテッドが4枠に対してJAL陣営のアメリカンとハワイアンは計3枠と差があり、ANA陣営が優位と言える。

◆19年4-6月期売上高は1.4倍

 国土交通省航空局(JCAB)は、2012年8月10日に出した「日本航空への企業再生への対応について」という文書(いわゆる8.10ペーパー)で、2016年度までのJALの投資や路線の計画を監視対象としていたが、2017年度からはこれに基づく監視は行っていない。

 8.10ペーパー以降に配分された羽田の発着枠は、2013年3月増枠の国内線はANAに8枠、JALに3枠を傾斜配分。2014年3月増枠の国際線は、16枠のうちANAに11枠、JALに5枠と再び大差がついた。監視最終年度の2016年10月増枠で配分された米国路線分は、6枠のうちANAに4枠、JALに2枠と3度目の傾斜配分となった。

 これにより、8.10ペーパー以降に配分された羽田発着枠は、国内線と国際線を合わせるとANAが23枠、JAL10枠と、ANAがJALの2倍以上獲得している。また、国内線でANAはエア・ドゥ(ADO/HD)とソラシドエア(SNJ/6J)、スターフライヤー(SFJ/7G、9206)とコードシェアを実施しており、これらの航空会社が運航する便からも収益を得ている。

 羽田の発着枠は、国内線で1便あたり20億円から30億円程度の増収効果が見込めると言われている。国際線は国内線よりもリスク要因があるものの、さらなる増収が期待できる。

 2019年4-6月期(20年3月期第1四半期)の連結売上高は、ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が前年同期比3.2%増の5005億800万円、JALが4.0%増の3557億4300万円と、約1.4倍の差がついている。今回両社がほぼ同等の発着枠を獲得する見通しになったことで、ANAの発着枠に基づく優位性は当面続くとみられる。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:8/20(火) 13:59
Aviation Wire

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