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中判ミラーレスカメラ「Hasselblad X1D II 50C」レビュー:今の日本に必要なカメラ

8/20(火) 12:01配信

ギズモード・ジャパン

ハッセルは細部に宿る。

X1D II 50Cのレビュー中「これ中判カメラなんだ」って話して、一発で「すごい!」って返してくる友人は一人も居ませんでした。「とにかくセンサーが大きいんだよ」って言ってもピンときていない様子。カメラ好きにとって当たり前の「単位」であるセンサーサイズも、わからない人にとっては、APS-Cも中判も同じ“カメラ”なんだろうなぁって、あらためて感じたところです。

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X1D IIは類を見ないほど小さい中判ミラーレスカメラです。しかし、それでもフルサイズミラーレスより圧倒的に大きいし重いです。僕の友人も、なんでわざわざゴツいカメラ使うんだろうって思っていたはず。

これっていったい誰のためのカメラなんでしょうか?

もちろんプロのフォトグラファーにとっては、中判センサーゆえに「高解像度だから大きく引き伸ばせる」といった恩恵がありますが、今回は自分のような、いち趣味カメラマンにとってどんなメリットがあるのか?という話。

60万円以上も払って幸せになれるカメラなんでしょうか? 結論としては、価格に見合う価値はあります。その理由は最後に。前置きが長くなってしまいましたが、今回はこの夏中に発売する新生「X1D II 50C」を発売に先駆けてレビューしてみたいと思います。

Hasselblad X1D II 50C
これはなに:中判センサーを搭載したミラーレスカメラ。2016年に登場した「X1D-50c」の後継モデルで、EVF、背面モニターの大型化。起動速度、AF性能の向上した。

価格:約63万円(実勢価格、記事公開時点)

好きなところ:精選されたプロダクトデザイン

好きじゃないところ:起動時間が5秒もかかる。AFが遅い

ボタン一つに至るまで「フラット」なデザイン

X1D IIを語る上で欠かせないのは、何はともあれこのプロダクトデザインです。前モデルとなる「X1D-50c」から形はほぼ変わっていませんが、逆に変える必要がないほど洗練されたデザインです。

なるべく曲面をなくし、どこから見てもフラットな印象を与えるように面取りを多用したボディ。僕がとくに好きなのは、HASSELBLADの文字が刻印された面からぐるっとグリップ周りの面取りが一連になっているところ。ここめちゃくちゃ好きです。

筐体は、アルミの素材がむき出しで、ヒンヤリしていて硬いです。みちっと密度が詰まった金属の塊を、X1Dの形にスパッとくり抜いたような、そんなカタマリ感があるんですよ。いや、まさにX1D IIのボディは、アルミ削り出しなので間違いないのですが、ボタン一つ一つに到るまで出っ張らないように工夫されており、ここまでするカメラは見たことありません。

一つ間違えれば軽率に思われかねないフラットすぎる外観を、しっかりとディティールの作り込みでポジティブに持っていくハッセルブラッドのプロダクトデザインには、ただ脱帽です。

X1Dのイノベーティブなところって、まさにこのプロダクトデザインにあり。だと思うんですよね。中判カメラって、もっと黒くてゴツくて特別なものだったはずです。それなのに、中判カメラをカジュアルな存在にしてしまったX1D。さっきから自然にフルサイズ機と比べちゃっていますが、数年前ではありえなかったことだと思います。それを、APS-Cとフルサイズの延長線に乗せてしまったことがすごい(X1D IIは645フルサイズではないので「本当の中判ではない!」という意見もあるでしょうが…)。

初代X1D-50cがでたとき「世界初のミラーレス中判が出た」と持て囃されましたが、単に「見出し」のためにミラーレスにしたわけではないことがわかります。ハッセルが中判というフォーマットを再発明したような。そんな気さえ感じます。

閑話休題:X1Dの中古を狙っている人へ

初代X1DからX1D IIは、形も変わっていなければセンサーも変わっていないので、ここで初代X1Dの値落ちを待っている人も多いかもしれません。一応、初代からIIへのアップデート点は、起動速度・AF速度の向上、EVF・背面液晶の大型化など。カラーはグレイになりましたが、形は変わっていません。

なかでも起動速度と、EVFの進化はすごくて、形は同じと言えど撮影体験にかなりの差があります。起動速度は10秒から5秒へ(それでも普通のカメラより遅いが)、EVFは0.87倍へ。値落ちした中古の初代X1Dを狙っている人は、一度X1D IIと比較してみるのをオススメします。

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最終更新:8/22(木) 0:01
ギズモード・ジャパン

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