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さらに上昇する可能性も…金の買い時は実質金利で分かる

8/20(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【お金の学校】金投資編 #10

 金の高値更新が続いている。7月末に米国が10年半ぶりの利下げをしたことをきっかけにして、上昇が加速した。1グラム当たりの小売価格は7月29日時点で5387円だったが、利下げの発表を経て、先週14日時点では5569円(ともに田中貴金属)と182円上昇した。

 もともと金の価格は、金利の影響を受けやすい。金は保有していても、利息や配当が受け取れないのがデメリット。金利が高ければ、銀行に預けておいたほうが有利だと考える人が多い。しかし、金利が下がれば、預金の魅力が薄くなり金を買う人が増えるわけだ。

 つまり、金に投資をするなら金利動向のチェックが欠かせないわけだが、その際には「実質金利に注目すべき」との考え方がある。実質金利は金利からインフレ率を差し引いたもの。仮に金利が3%でもインフレ率が4%であれば、実質金利はマイナス1%となる。物価上昇分を差し引いて、手元に残る利息がいくらかを示したのが実質金利だ。

 米国の長期金利の実質金利と金価格を見ると、逆相関の関係にあることがわかる。実質金利が下がると金価格が上がる。とくに実質金利が0%を割ると、金価格が急上昇する傾向にある。

 直近で実質金利がマイナスになったのは2016年7月。このときは、実質金利が下がり始めた16年1月から金価格が上昇し始めた。為替の影響を排除するためドル建ての価格を見ると、1月4日時点で1オンス約1082ドルだったが、7月末には1342ドルまで24%も上昇した(三菱マテリアル)。11年11月にもマイナスとなり、金価格は上昇している。

■まだまだ上昇か

 現在はどうか。実質金利は、米国の長期金利からインフレ率を差し引いて計算する方法もあるが、もっと簡単に確認できるのはインフレ連動債の利回りだ。これは長期金利にインフレ率を加味した利回りといえる。ブルームバーグなどのサイトで確認可能。米国インフレ連動債(10年)の利回りは8月13日時点で0.01%だ。これがマイナスに突入すれば、過去の例から考えて、金価格がさらに上昇する可能性がある。高値更新が続く現在、金は買いにくいが実質金利をベースに考えれば、まだチャンスはありそうだ。

(経済ジャーナリスト・向山勇)

最終更新:8/20(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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