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雨水にも微小プラ、ロッキー山脈で「プラスチックの雨」

8/20(火) 9:36配信

The Guardian

【記者:Maanvi Singh】
 米地質調査所(USGS)の研究員グレゴリー・ウェザービー氏は、ロッキー山脈から採取した雨水分析で、思いもよらなかったものを見つけた――プラスチックだ。「主に土や鉱物粒子が検出されると思っていた」が、発見したのは色とりどりの微小プラスチック繊維だった。

 この発見をまとめた報告書「プラスチックの雨(It is raining plastic)」は、大気、水、土壌など事実上地球のあらゆる場所にプラスチックごみが大量に浸透している問題について一石を投じている。

 ウェザービー氏は「目に見える以上にプラスチックが存在するということを米国の人々に知らせることが最も重要だと考えている」と話す。「雨にも、雪にも含まれており、もはや環境の一部となっている」

 コロラド州一帯で採取した雨水の試料を顕微鏡で分析したところ、ビーズ状のプラスチックや破片とともに、色とりどりのプラスチック繊維が検出された。

 ウェザービー氏は「発見は偶然の産物だった」と話す。だが、今回の研究結果は、プラスチック粒子は何千キロとは言わないまでも何百キロも風に運ばれて移動することを示唆したフランス・ピレネー山脈での研究結果と一致している。また、別の研究では、マイクロプラスチックが海溝の最深部や英国の湖や河川、米国の地下水などにも浸透していることが明らかにされている。

 米ペンシルベニア州立大学ベーレンド校で持続可能性コーディネーターを務めるマイクロプラスチック研究者シェリー・メイソン氏は、主な原因はごみだと指摘する。プラスチックごみの90%以上が再利用されず、徐々に劣化し微小化されていくためだ。メイソン氏は、プラスチック繊維は洗濯をするたびに衣類から剥がれ落ちる他、プラスチック粒子はさまざまな産業過程においても副産物として排出されていると述べた。

 メイソン氏は、このような微小プラスチックの発生源をたどるのは不可能だが、ほぼすべてのプラスチック製品は大気中に粒子を拡散している可能性があると指摘した。「さらに雨が降るとこれらの粒子は雨粒に取り入れられ」、河川、湖、港湾、海洋に流れ込み、地下水に浸透するという。

 自然界からすべてのプラスチックを除去するのは理論上可能なのか、可能ならばどれくらいの時間が必要なのかということもいまだ解明されていない。ウェザービー氏は「地下深くの地下水からもプラスチックが検出されていることと河川にも蓄積されていることを踏まえると、何百年もかかるだろう」と述べた。

 動物や人間は、水や食べ物を通じてマイクロプラスチックを摂取している。おそらく大気中のマイクロプラスチックやナノプラスチックも吸い込んでいるだろう。だが、健康への影響はまだ分かっていない。マイクロプラスチックは、水銀などの重金属や有害化学物質、さらには有害な細菌を引き寄せ、付着することも可能だ。

 人は生まれた直後から多数の合成化学物質にさらされているため、これら合成化学物質にさらされなかった場合、寿命がどれほど延びるのかということを判定するのは難しいと、メイソン氏は言う。「プラスチックと健康の関連性のすべてを理解することはできないかもしれない」

「だが、プラスチックを吸い込むのはおそらく良くないことは十分に分かっている。プラスチック依存を劇的に減らすことを考え始めるべきだ」【翻訳編集】AFPBB News

「ガーディアン」とは:
1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

最終更新:8/20(火) 10:03
The Guardian

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